私的ベスト・ミュージック10枚(2020年1月編) by 高橋アフィ

2020年1月の10枚です。

Forever Is a Dollar / AcidSlop

デロっとしたファンクが好きなんです!オーストラリアのアーティストAcidSlopによるオーストラリア森林火災チャリティーソング。ラップの入り方が最高。音質の違い(AcidSlopは基本ローファイ系に対し、クリアなラップ)もすべて良い方向にまとまっていると思います。

Suite For Max Brown / Jeff Parker

Jeff Parker『Suite for Max Brown』傑作です。質感のきめ細やかさが天才的で、曲としては結構アヴァンギャルド寄りだとは思うんですが、そこを超える演奏の美しさゆえの突き抜け感が凄いと思います。よくよく聞くとジャズなのかよくわからないビートも素晴らしい。

Sounds of Crenshaw & Jammcard present: Terrace Martin's Gray Area Live at the JammJam / Terrace Martin's Gray Area

Terrace Martinによる直球ジャズ。パワーと勢いで異形化です。オールドスクールなものとしてではなく、「フレッシュでカッコ良いもの」とやっている雰囲気が素晴らしい。

Standards Vol.1 / Rafiq Bhatia

スタンダードだけどスタンダードに聴こえない①。Son Luxでも活躍する異能ギタリストRafiq Bhatiaの新作。音響/音色面でのスタンダードの新解釈とも、和音/作曲面でのスタンダードの再発見とも言えそうです。結果エッジーなエレクトロと共振している感じも面白い。

Dragtime (Volume 2) / Diggs Duke

スタンダードだけどスタンダードに聴こえない②。こちらはモジュラー的面白さで、アンビエントと共振というかアンビエントそのものです。

Madison McFerrin on Audiotree Live / Madison McFerrin

最近ライブ動画のクオリティ上がりまくっていると思いません?など言っていたら、配信もするようになって良かったですね。
やっていることはトリッキーですが、ちゃんとポップというか、手法に負けないセンスの良さが素晴らしかったです。

Tara Clerkin Trio / Tara Clerkin Trio

DOPE!! 詳細今一つ分かってませんが、カッコ良いし、実験的だし、よくわからなくて最高です。配信は今のところ無い!(コンピに一曲入っていましたが)

R.Y.C / Mura Masa

聴きどころは「エレクトロ」「バンドサウンド」のそれぞれから/合算した評価だと思っていて、DAWフェチズム的なギターのミスタッチの生かし方など高評価だったんですが、ライブ直球でバンドなんだよなぁ…。評価定まっていないのですが、どちらにせよ「歌心の人」としてだけでも十二分に素晴らしい作品でした(ここらへんはJames Blakeもそんな感じ=ビートやトラックの革新性(のみ)をどの程度評価すべきか問題)。

Circles / Mac Miller

入れないわけにはいかないですね。Jon Brionがprod.。バックは実は王道SSW系で、そこにラッパーが乗るから完璧、更にMac Millerだったら最高!というやつです。死後出たアルバムなのにアウトテイク集では全然無く、むしろ今後ますます期待出来るというか、あまりに作品性と完成度が高くて泣いちゃいました。
ラッパーのバンド編成、ついついブラックミュージック的な想定をしがちなんですが、いまやトラックも多様なのにそこに縛れなくて良いんだなということですね、反省。

Six Songs for Invisible Gardens / Green-House

今のところ今年一番聴いています。LEAVING RECORDSからリリースされたLA拠点のアンビエント/ニューエイジ。
以下個人的な価値観なので参考にしないで欲しいのですが、こういうジャンルは作曲の匿名性と記名性のバランスが肝心だと思っていて、「うわー、コードこういう風に展開しちゃうのか」「メロのこの動き気になってしまうなぁ」みたいなことを避けつつ、いかに空間を変えるような濃さを出すか、という観点で聴くことが多いです。その意味で本作の絶妙な塩梅!メロはありつつも鳥の声と溶けるように置く感じとか!そういうことなんですよ!!

2月は『Jazz The New Chapter』の新刊が出ます!

僕は最近のドラマーの方向性について寄稿しました。是非とも。

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