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病人レポート3 : 「2年か5年か、いやもっとか」

月曜からまた、窓の開かない一年中28℃の人工アイランドと言う名の独房生活が始まっています。
まず主要な腫瘍の検査結果から、、、
FISH法と呼ばれる、骨髄中にどれぐらい白血病細胞がいるかを診る検査で ;
(初回)465 / 500個中 = 93%
(再発1)13 / 500個中= 2.6%
(再発2)3 / 500個中 = 0.6%
※ちなみに5%以下は「寛解」と呼ばれます
再発1も2も「え?寛解じゃないの?」そうなんです、でも「1個」でもフラグが立つ=検査をして「0」ではないということ=病気が出てる=治療しなかったらほっとくとどんどん増えていくという構図なので、治療=まずは抗がん剤から。。になってしまいます。0か100か。間っていうのが存在しにくい病気です。そして治療をするとなったら必ず長期入院が必要。非常にコスパの悪い病気でもあります。
そしてこれももう、恒例というか、毎度のことなんで仕方がないですが、抗がん剤を入れる側から「腫瘍崩壊熱」(抗がん剤によって、がん細胞が死滅する時に熱を発すると言われています)という熱がバンバン出ており、ただいま、平熱38度の世界に突入しています。
この熱の出現によって、入院するまで人に会うことが出来、よく飲み、よく食べ、むしろ健康そのものであった身体は名実ともに「病人」へと様変わりしていきます。健全な思考は健全な身体に宿るとはよく言ったもので。単純に朦朧とした世界が日常になると、ああ、もう、これ治らないんじゃないか?これいつまで続くんだ?という、当たり前のネガティブにも見舞われ、日々出来ることと言えば病室の天井を眺めることのみ。。。
何度もここに書いていますが、そもそも「健康そのものである」と思っている「自分」がいて、でも血液の1㎥あたりとかのレベルで見た細胞に「異常」があって、、はい。白血病です。という時点で大分違和感ありまくりなわけですが、こうして(いろいろわかっていても)抗がん剤という猛毒を身体に流し込むことで、日々身体が痛めつけられ弱っていくという現実に、しばし頭とココロがついていかなくなる時もあります。
主治医からの説明でも、今回の化学療法のみで、あと2年後といわれたら「生きている」って言える。でも5年後って言われたら「?」未知数だと。5年後生きていたい(という希望を繋ぎたいなら)「骨髄移植パート2」をやるのが妥当。と。。
(初回)と(再発2)、明らかに病状の深刻度が違うのは素人目にもわかると思いますが、、これが血液のがんの実情です。0か100か。93%でも、0.6%でも、とにかく身体の中に1個でも白血病細胞がいる限り、長期生存するためには「骨髄移植」が根治治療の一つに挙げられる。(これは白血病の型や染色体変異のあるなしなどによっても変わります)しかしながら、その5年生存率は前回お伝えしたように、一番良くて50%です。だけど、少なくとも5年後を目指すなら、そっちの道しか「ない」
でもそれって仕方がない。 そういうものだからと受け止めるしかない。 ないないづくし。 ハイリスクハイリターンの厄介な病気との日々は、まだまだ続きます。
写真は熱で朦朧としていた時に見えた夕焼け。私のこころの内に分け入るような、、どっしり重い雲と、燃える炎のような太陽。
2018.7.26