見出し画像

2年振りに同僚と飲んだから水面が上昇したと思ったら、標準値に戻っただけだった。

職場での会食が解禁された。

コロナ対策のため、数日前まで私の職場では職員同士の会食が禁止されていたのだが、一部条件付きでOKとなったのだ。早速、他部署の同僚と2人で飲みに行った。

私たちは会話に飢えていた。

お互いの座席の間隔が70センチ開いていたって、2人の間にアクリル板があったって。電話よりも、LINEよりも、直接会って話すのが一番いいに決まっている。

積もる話は山ほどある。くだらない話から、重要な話まで。過去の話から、これからの話まで。顔を合わせなければ、隣にいなければ、お酒が入らなければ言えないことが、たくさんあるのだ。

会話を"補給"して、私の元気は倍増すると思っていた。私の中にあるダムの水面は一気に上昇すると思っていた。でも、実際は思ったよりも気持ちは溢れ返らず、決壊もしなかった。

そもそも、ここ数年で、気付かないうちに私の元気の貯水池は干上がっていたのかもしれない。今日、たくさんの水を入れてもらって、やっと標準の線に達したのだと思う。

どうでもいい話の合間に顔を出す、大事な話。些細な話をしてからでないとできない大切な話。このラインまで水が満たされて、やっと私たちは「話が始められる」のだ。

ようやく、今日、ここから、時計の針が進み出すような気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?