![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68752120/rectangle_large_type_2_176ff3b99411aa5430c2e0e661ed10a5.jpg?width=800)
生ける
一人暮らしを始めてからというもの、ずっと、部屋に花を生けている。
「生ける」と言っても、華道を習ったこともないので、ただ単に水を入れた花瓶に草花をさしているだけだ。「飾る」、というよりは、イキモノだから、「生ける」と言った方が、なんだか素敵な気がする。花がちゃんとひらいて、元気がなくなって枯れてたり色褪せていくまでがセットだと思う。いつまでも不自然に「咲いて」いる、ブリザーブドフラワーの類は好きではない。枯れることをいつまでも許されないなんて、なんだかちょっと可哀想だ。
生ける花は、商店街や駅の花屋で一通り買ったことがあるけれど、小洒落た高いフラワーショップより、近所の横断歩道の横にある花屋の方が花もちがよいため、ずっとそこで買っている。大体その日のおすすめをきくと教えてるれる。あんまり「気分」じゃない花をすすめられることもあるけれど、なんとなく参考にするようにしている。
茶色い紙で花を包んでもらいお金を払って店を出たあと、信号待ちをしながら、包み紙から覗く花を眺めるのが楽しい。お気に入りが買えた時は、歩きながらでもたびたび見てしまう。
今日は、もうすぐお正月だから、赤と黄の「せんりょう」を買った。
「花を生ける」ということが、私の生活を維持するための、ひとつの機能を果たしているのだと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?