もう一度「大丈夫」といいたい

私は「大丈夫」という言葉が好きでよく使っていた。自分が言われるのも好きだった。そういってもらえるだけで、なんとかなると思うことができたから。

数年前ある人が私に怒りのメールをよこした。「いつもなんでも大丈夫だ大丈夫だというけど、いったいなにが大丈夫なんですか。はじめてのことに取り組むのに心配があるのは当たり前じゃないですか。起こる可能性のあるあらゆることを想定して、心配するのの何がいけないのですか?」というような内容だった。私はその人を応援していたので、そのときとても傷ついた。それと同時に混乱もした。私だって、心配するのが悪いことと言ったわけではない。でも、起こりうることすべてを想定するなんて不可能だし、大丈夫だと信じて進むことしかできないのではないかと思って、大丈夫と言っていた。もちろん大丈夫と信じていた。その人はなんらかの精神疾患をお持ちだということはしっていて、私はよくいわれている「がんばれと言ってはいけない」ということをとても気をつけていたのだけれど「大丈夫」も禁句だったの?と。その後、その方とは話せなくなった。なにが地雷になるかわからないとこわくなったし、私にとっては理不尽な怒りをぶつけれらたとしか思えなかった。その後、その人の怒りのターゲットにされ続けけっこう長い間嫌な思いをした。

最近になって「大丈夫」という言葉がまた気になるようになった。たまたまテレビで見た素敵な人がまわりの人に「大丈夫、大丈夫」といつもいっていた。私もそういわれたらうれしいと思った。いぜん私に「なにが大丈夫なんですか?」と言った人には合わなかったのかもしれないが、私には「大丈夫」はやっぱり魔法のように元気の出る言葉だと思った。思えばあのことがあって誰かに「大丈夫」ということにためらようになってから、私は自分に対しても「大丈夫」と言ってなかったような気がした。あんなことで、何年も気にすることなかったなと思う。その間に私は自分になんて声をかけていたんだろう。今日からもっともっと自分に大丈夫といいたい。

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