#86 カナダでの残薬管理はどうなってるの?

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〈訳〉
次のうち、入院後の投薬調整活動(Medical reconciliation)をすることの利点ではないものはどれですか?

a.投薬ミスの削減
b.在庫盗難の削減
c.予防可能な有害事象の減少
d.治療に関する患者のアドヒアランスの向上
e.患者のアレルギー情報の正確性の向上

〈答え〉b. Reduction of inventory pilferage

〈解説〉

Point1.Medication Reconciliationとは

日本でも入院時に患者さんの持参薬管理を行いますが、カナダではmedication reconciliationなるものを行います。これは、MedRecとも呼ばれていて、患者さんやその家族、関わる医療スタッフなどが治療を進める上で患者さんにとって正しい薬がちゃんと選択されているか再確認します。

Best Possible Medication History(BPMH)という言葉もよく使うのですが、これは1.患者または家族2.処方薬/非処方薬を含めた薬歴に関することを知る医療従事者の話を聞いた上で、薬名・用量・服薬経路・服薬頻度などを記録するものです。ここで重要なのは、患者さんが持っている薬の情報だけではなく、患者・家族の話もきくということだなと思います。

なぜなら、現在患者さんが服用するように言われている薬と、実際に患者さんが飲んでいる薬(特に頻度など)は変わっている可能性があるからです。もしかしたら、飲んでいると思っていた薬を患者さんは自己判断で中止しているかもしれないし、ちゃんと飲めいない可能性だってあります。

Point2.まとめ

ここではあまり多くのポイントはありませんが、実際に現場でそれをみたり、現場での話を考えたりしてみないと、残薬管理とMedRecの違いって分かりません。

私は臨床での経験が浅いからこそ、なおさらイメージが難しいのですが、BPMHは、調剤薬局でも行われています。慢性疾患で何種類も薬を飲んでいる患者さんには、定期的にフォローアップで薬が正しいかの再確認を行う場合があります。

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