雨ニモマケズ、風ニモマケズ、父と母の教え。
「家族団らん」「家族仲良し」こんなワードにずっと憧れを抱いていた。
物心ついてからの私には、家族揃ってのごはんや、家族全員での旅行というような、いわゆる「家族団らんといったらこれ」という心温まるひと時の記憶がほぼ皆無だ。決して親に虐待を受けていたとか、両親が不仲だったわけではない。
たとえば唯一のきょうだいである姉とは6歳離れており、私がようやく姉の遊び相手としての人間レベルに到達する頃には、姉は姉で学校や近所に作り出した「お友達コミュニティ」を毎日謳歌していた。6歳差な