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#2 岩下智子フルート塾 「基礎練にはどんな教則本を使ったらいいの?その1」

こんにちは!フルーティストの岩下智子です。

第1回目で「基礎練習の大切さ」について、しっかりとした礎を造るには毎日の積み重ねが大切で、とにかく繰り返し繰り返し、毎日少しの時間でもいいので基礎練をすることのポイントをお話しました。そうやって基礎が出来上がってくると、その後どんな難しい曲に遭遇しても、またはどんなに緊張しても、びっくりするように崩れることなく、安定した演奏ができるようになります。
では、その基礎練習に適した教則本(エチュード)はどんな教則本を使ったらいいのか?を2回に分けてご紹介したいと思います。このnote記事が、皆様のフルート演奏の愉しみ、上達、習得に何かヒントになれば、幸いです。

それでは、まずは基礎練の教則本の代表格である次の5冊をご紹介し、続いてその練習法についてお話します。

1) モイーズ  『ソノリテについて』(LEDUC)

2) タファネル&ゴーベール 『17のメカニズム日課大練習』(LEDUC)

3) ライヒャルト 『7つの日課練習 作品5』(SCHOTT)

4) グラーフ  『チェック・アップ』(SINFONIA)

5) モイーズ  『フルートのための日課練習(中、上級編)』(LEDUC)

音作りから、テクニック強化練習までバラエティーに富んでいますね。こんな5冊も毎日やるのですか?と後ずさりする方もいらっしゃるかもしれませんが、この教則本の一部を毎日少しずつやっていくと自分がらくになるといいますか、フルートをやるのが楽しくなるのです。

1) モイーズ 『ソノリテについて』www.muramatsuflute.com/shop/g/gG2371/

毎日のウォーミングアップは、やはり「ロングトーン」から。いきなり指のテクニックの練習から始めるのではなく、音を出す前にやはり精神を落ち着かせて、耳を澄ませて自分の音と向き合いましょう。まずは、最初のページを開き、「音色と音の同質性」No.1をやります。Hの音から半音下のAisへ向かって(次はAis→A,A→Gis,….)クレッシェンドして音を繋げることがポイントです。まるで風に乗っかって空気(音)が動いているようにです。音にはいつも方向があり、どこに向かっていくのか(=クレッシェンド)、どこへ収まっていくのか(=デクレッシェンド)を表現すると、音楽は自然に流れていきます。ここでは、音の質を揃えながら(第1回目のnote参照)、2音間をなるべく音質を揃えて繋げ、よく響く音を作りましょう。上行形も同じやり方で忍耐強くやってください。

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