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#3 岩下智子フルート塾 「基礎練にはこんな教則本も使ったらいいの?その2」

こんにちは!フルーティストの岩下智子です。

岩下智子フルート塾では、前回に引き続き、「基礎練習に適した教則本 」をご紹介します。基礎練習は、毎日の積み重ねが大切です。よい演奏をするには、様々なテクニックを身につけ基礎力を高めていくことにより、真の実力がつき、大きく成長できるのです。

今回は前回に引き続き、おすすめの4冊の教則本をご紹介します。

まずはタンギングの強化!
⑴ クロイツェル: フルート・エチュード (マイゼン編 全音楽譜出版社)
www.muramatsuflute.com/shop/g/gG23568/

このエチュードは、もともとは名ヴァイオリニストのクロイツェル(1766-1831)がヴァイオリンのために書いたもので、ヴァイオリン奏者にとって欠かせない重要なエチュードのひとつですが、フルートを学ぶ人にとっても、ブレス、アーティキュレーション、タンギングなどのテクニックを強化したいときに使えて、効果抜群です。全音から出版されている楽譜は、2020年6月にお亡くなりになったパウル・マイゼン先生がフルート用に編集されたものです。このエチュードを使って、ひとつひとつ、響く音を出す練習をはじめましょう。

タンギングは、「非常に短く鋭く」「短いがあまり鋭くなく」「デタッシェ」「テヌート」「マルカート」・・・など、沢山の種類があります。岩下智子フルート塾 第1回にも書きましたように、舌も筋肉なので、毎日訓練しないと柔軟性が失われ、いつもワン・パターンなタンギングしかできなくなります。日頃、私たちが話している日本語は、あまり舌を使わずに話せるので、クラシック音楽をやるときに、日本人のタンギングは重たいと言われることが多いですねぇ。逆にフランス人たちは軽やかで速いタンギングができて、幾度と羨ましく思ったことでしょうか!彼らは子供のころから舌をよく使うフランス語をしゃべって生活していますので、フルートをやるときも速いタンギングができて、日本人ほどタンギングに困っていません。そういったことからも、日本人の私たちは、毎日、特別にタンギングのトレーニングをしなくてはいけません。
日常会話で活舌がはっきりせず、口を動かさずに話す人がいるとします。そういう人のタンギングも同じで、やはり明確でないことが多いのです。言葉と相関性があります。フルート演奏においては、タンギングがはっきりしないと、アーティキュレーションの輪郭がボケてしまうのです。
また、様々なタンギングによって、舞曲の軽やかさ、ステップを表現できるようになるのです。

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