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わたしの中の、小さなわたし

わたしは2020年1月〜2021年1月に、NVC大学の提供する年間プログラム
『セルフリーダーシップ プログラム(以下、SLP)』に参加した。

そのなかで、わたしが提案者となって、NVCを継続的に学び、認定トレーナーを目指す “Pod” の卵のようなグループとして、『Pre-Pod ぷりぷり』が誕生した。

『Pre-Pod ぷりぷり』は、わたしを含む6人で構成されていて、現時点で認定トレーナーを目指しているのは、そのうち2人。
結成から約4ヶ月をかけて、正式なPodとして認められるための条件であるCPP(Certification Preparation Packet)をみんなで呼んできて、SLPが終わるタイミングで『Pod ぷりぷり』として、再度新メンバーをSLP内で募り、再スタートを切ることになった。

2月頭、ぷりぷりのみんなと「今後、新しいメンバーを受け入れるときに、毎回みんなで確認すること」の条件を考えた。(その内容は、ここでは書かない。)

そのミーティングが終わって数日経ってから、「あ、もう一つ、条件を加えたいな」と思いついて、グループmessengerの中に投げかけた。その内容は、「新しいメンバーにはCPPを読んで、その内容を知っていて欲しい」ということ。

Podぷりぷりに加わるための条件には、「認定トレーナーを目指すこと」は入っていないけれども、Podのメンバーには、それを志している仲間がいることを理解して、応援してほしいなという気持ちがあったから。

わたしの中では、「”当然“みんな賛成してくれるだろう」という気持ちがあって、気楽さから投げかけたものだった。
だけど、実際には、6人中3人からは、「そうだね、そうしよう」と返事が来たけれど、2人からは思いがけぬ反応があった。(ひとりは「自分の中に色々な声があるので、少し時間が欲しい」といった内容だった)

その反応を見て、わたしの中で、なんとも居心地の悪い、モヤモヤとした感情が湧くのを覚えた。

「あれ?わたし、空気読めない発言したかな?」
「条件を増やすなんて、新しいメンバーへハードル上げたり、圧力を加えるような印象を与えてしまったかな?」
「みんなの心を動揺させてしまって、申し訳ない…ごめんなさい」

色んな感情が湧いてきた。

そして、この件について、急遽Zoomで集まって、話し合いの時間を持つことになった。

みんなの思いを直接言葉で聞くことができて、メールのやり取りでは伝わってこなかった、たくさんの情報(言葉以外からも醸し出される本物さや、誠実さ、思いやり、配慮・・・)を、正直さと共に受け取ることができた。

そして、わたし自身の内側ともつながり、ひょっこりと顔を出したのは、小学生くらいの女の子だったわたしだった。

わたしは物心ついた頃から、「超」がつくほど“マジメ”な子だった。
学校で教えられること、評価されることが全てで、先生の言うことに素直に従う子どもだった。
小学2年生から6年生まで、ずっと立候補して学級委員だったことが、象徴的なエピソードかもしれない。それ以外にも、児童会、生徒会、部活の副部長・・・

「ちゃんとまっすぐ並んでください!」「静かにして下さい!」
「それは正しくありません。ちゃんとしてください!」

当時のわたしは「べき子」さんで「〜しなければならない」「〜するべき」にしばられていた。

たくさんの「リーダー」を勤めたけれど、それはいつもトップダウン型で、
“Power Over” - “Power Under” の関係性の作り方だった。

(学生時代には、開発教育の学生ボランティアチームの代表をしていたけど、「多様性の尊重」をかかげつつ、自分から見て「多様性の尊重」ができていないと思われる人をダメ出しするという、大きな矛盾を抱えていたことに、大人になってから気づいたりした・・・涙)

そして、話を元に戻すと、今回の件で小さく震えた少女は、
「またわたし、同じことを繰り返してしまうのではないかしら」ということを恐れて、みんなからの反応に対して萎縮していた。

NVCが大切にするのは ”Power With” の関係性。
上とか下とか、正しいとか間違ってるではない、共に創造していく関係性を心から願っている。

それなのに、わたしは・・わたしは・・
「また昔と同じ ”Power Over” のともこちゃんには戻りたくないんだ。」

そのことに気づいて、涙がポロポロとこぼれ落ちてくるのを、止めることができなかった。

みんなにそのことを正直に話すと、「そんな反応が、ともちゃんの内側で起きていたんだね」と、寄り添ってくれた。

そして「ともちゃんの姿勢が、Power Over に見えたことはないよ。真剣さが伝わってくるよ。」「ともちゃんがいつもフットワーク軽く、みんなにも配慮して色々なことを提案してくれるのは、本当にともちゃんが持つギフトだと思う。」
そんな風に言ってくれて、改めてこのNVCがつなげてくれたコミュニティ、仲間を、ありがたく思った。


そして、また後日、新たにPodに加わることを検討してくれているメンバーを交えてミーティングを持った。

その中で、各々が『Pod ぷりぷり』について思っていることを述べて、わたしの順番が回ってきた。
そこでは、わたしがこの Pod をとても大切に思っていること、 新しく加わるメンバーにも、深いつながりやコミットメントを望んでいることなどを伝えた。


そして、「実はね・・こんな風に伝えることが、Power Overに聞こえはしないか? 圧力のように受け取られるのではないか?と心配しているパーツが自分の中にいるんだ。」ということも、正直さとともに伝えることができた。

それを聞いた加入候補者のメンバーから、「ともちゃんが、このPodをとても大切にしていることが伝わってきたよ。」ってフィードバックをもらうことができて、改めて、自分の中にあった緊張が、もう一段階ほぐれていくのを感じた。

真剣さ 
→ 「マジメ(はネガティブだというジャッジメントを含んだ)と思われてしまうんじゃないか?」 
→ そう思われたくないという恐れ。
→ 本当に願っているのは、安心感と気楽さに包まれた、でも同時に真剣な学びの場。

これを、Power With の関係性を、わたしは本当に心から願っているんだ。
そんなことが分かった出来事だった。

これからも、もしかしたら時々 小さなともこちゃんが顔をだして、心配そうな顔をするかもしれない。そんなときは、抱きしめて。「大丈夫だよ。あなたが心から願っているものを、ちゃんと知っているからね。大丈夫だよ。」と、共にいられるようになれたらなと思う。

ぷりぷりのみんな、
ひとつひとつの出来事に、丁寧に向き合ってくれて、本当にありがとう。
これから一緒に歩む年月が、とても楽しみです。


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