15人の制服 (注!!早替えのネタバレあり)
初代制服…
衣装中で過去一働いた衣装ではなかろうか?
スタミュミュシリーズはご覧になったお客様もおそらく一番衣装チェンジの多い作品ではないでしょうか?
私の携わる舞台やLIVEでは衣装チェンジありきの物がほとんど。その中でも私の担当する声優アーティストの早替えと勝負できるほど。
そんな早替えの中でもリバースの多かった衣装が制服。
3シーズン+αの中でも初代制服の活躍ときたら。
ヘッダーの写真のコメント。
『エンブレムのとりはずし10+1』
オーディションシーンの前に全員で歌った後にJKT(ジャケット)をセンター扉に投げ込みオーディション後の発表ではエンブレムを胸につけて出るという流れ。
10人全員がセンター扉に投げ込む
↓
センター扉が閉まったら回収
↓
上下にはけてくるキャラを仕分ける
↓ *記憶の限りでは、星谷・那雪はポケットに潜ませる。
(映像確認したくなってきた)
エンブレムを胸につける
脱ぐ→着る→脱ぐ→着る…
制服のリバース、結構あった記憶。
当時は私と弊社スタッフが、まだ舞台袖に入っていたので上下で次の衣装スタンバイをした後
脱いだ衣装の回収からの上下仕分け
上下でチェンジ(脱いだソデと着るソデが上下逆…ほんとによくあった)
舞台裏を走るキャストに混じって我々も走る。
よく、キャストが「アタラシさん走りまーす」って言ってました。
そうやって着替えるとうっすら汚れるのです。
特に投げ込むシーンで。
公演期間、よく洗濯しました。
だってseason1は綾薙学園に入学したところから始まる演目でしたから公演を重ねるごとにうっすら汚れてくるのは…
だから洗濯・洗濯・洗濯…
そうしてseason2を迎えた際に制作さんが倉庫から出してきたら、なんと当初の色と比べるとかなり薄いではないですか!
追加で製作するキャストの制服と色が変わる…ということで
season2ではもう一段階濃くしてP下(染やプリント用の生地)も2wayストレッチ変えてリニューアルしました。
制服の生地は染めた後、紫外線カットの紙に何重にも包んで【ミュミュ制服】と明記してアトリエの最も陽の当たらない場所に保管してあり追加キャラが出るごとに制服を製作していました。
特殊な色にも関わらず色味がさほど変わらなかったのはそのせいです。
そして制服のパンツは
きもーーーーちフレアパンツになっています。
それは足長効果を狙ったもの。
パンツも初代から2代目は運動量を改良してより踊り易いパターンにしました。
衣装の早着替えをするエリアは、パンチ(カーペットのような素材)が敷いてあるのですが、一斉に5人づつ着替えることが多かったスタミュミュは、パンチにネクタイのマジテがへばりついてることも度々。
早替えの後に誰のネクタイ??ってならないようにネクタイも含めて全てのアイテムに名前をつけます。
この名前付けもなかなかの作業でコモでは衣装リストをキャラクター別に作成しチェックしながら進めます。
スタミュミュはキャスト数も衣装数も多いので
★キャラ別に折りコン(折りたたみコンテナ)
★衣装ごとに45Lのゴミ袋(新品)
で仕分けして製作を進めていました。
制服は裁断パーツに全てシールを貼って縫製作業に入りました。
【キャラ名・パーツ名】→【星谷・右前身頃】
弊社では縫製するときは丸縫い(1人が1アイテムを縫い上げる)するのですが、時間との闘いになると私も縫製チームに混じって、
アイロン担当
縫製担当(私はっもっぱらココ)
ひっくり返す担当
といったように数人でグループを組んで進めていました。
なんとも懐かしい!
そうしないと丸縫いの場合
アイロン待ちが出て時間ロスが出てきます。
職業用直線ミシン5台
4本ロック2台
バキュームアイロン2台
芯貼りプレス機1台
圧倒的にアイロン待ちが多くなります。
ここ数年のソーシャルディスタンスでは考えられないくらいの人数で作業していました。
染めのビーカー(染めデータ)が棚の奥底で出せませんでしたが、もし出てきたらお見せしたい!
スタミュミュは生地を反物ごと染工場に出しました。
何通りか試していただいて最終決定しても反物で染めると少しブレるので(染めはそういうものなので)少し濃いめのビーカーで進めたりと…
まるでアパレルの小ロット生産のような生地作りだったのを思い出します。
プランナーの私だけでなく製作に関わったスタッフ、現場の上下で早替えして洗濯に励んだスタッフ、みんなの思いが詰まった衣装に息が吹き込まれる瞬間は格別で。
心臓が震えるのです。
スタミュミュの衣装お話
続きまたこんど…
*上下(かみしも)
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