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袴田事件再審決定の大善文男裁判官は陸山会冤罪事件で無罪判決を下した判事

 世界ボクシング評議会名誉チャンピオンであるプロボクサーの袴田巌氏が強盗殺人等の容疑で死刑判決を受けたものの、裁判で警察による“自白”調書45通のうち44通に自白の任意性が疑われて証拠として却下されるなど、検察・警察による捜査の問題点が指摘されており冤罪であるとの意見も根強い袴田事件の再審請求で、東京地裁が却下した再審請求を一度は却下した東京高裁が今日、差し戻し審で再審を認める決定をしました。
 再審決定をした大善文男裁判官は、菅直人政権下で当時の総理大臣と対立していた小沢一郎先生が、検察が作成した虚偽の内容を含む捜査報告書を根拠の一つとして、土地購入の代金を支払った日付がズレているという事務的なミスを理由に強制起訴された陸山会冤罪事件において、無罪判決を下した裁判官です。

過去に小沢一郎氏無罪判決も 袴田事件再審差し戻し審の裁判長

毎日新聞 2023/3/13 14:07(最終更新 3/13 19:54) 373文字

 袴田巌元被告(87)の再審請求差し戻し審で裁判長を務めた大善文男氏(63)は、早稲田大卒で1986年任官のベテラン刑事裁判官。さいたま地裁所長を経て2020年から現職の東京高裁部総括判事に就いている。袴田さんの弁護団によると、大善氏は差し戻し審で静岡地検に足を運び、検察側のみそ漬け実験を直接確認したほか、審理終盤の22年12月には袴田さんと面会し「お体はどうですか」と問いかけたという。

 過去に担当した事件では、東京地裁の裁判長として資金管理団体「陸山会」を巡り政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された民主党元代表の小沢一郎衆院議員(80)に無罪を言い渡した(東京高裁が12年11月、検察官役の指定弁護士の控訴を棄却して確定)。大善氏を知る刑事裁判官は「検察、弁護側双方の主張にしっかり耳を傾け、手堅い判断をする」と評する。【志村一也】

 大善裁判官は陸山会冤罪事件の裁判において、秘書が虚偽記載を行ったことを認めつつも、土地購入の代金を払った日付がズレていたことを秘書が重大な問題と認識していなかった可能性があるとして、小沢一郎先生と秘書の間での共謀を認めませんでした。
 なお、大善裁判官の判決では虚偽記載自体はあったということになり、反小沢派の政治家による宣伝に利用されましたが、その後の控訴審で故意に虚偽記載を行ったとする主張も否定されています。

本件土地の取得について、石川の平成16年分の収支報告書不記載(本件公訴事実の第1の3)の故意、池田の平成17年分の収支報告書虚偽記入(本件公訴事実の第2の2)の故意はいずれも阻却されることになるので、これらの故意を認めた原判決の判断は、論理則、経験則等に照らし不合理でもあって、是認することができない。

小川正持による陸山会冤罪事件判決要旨

 陸山会冤罪事件を教訓に、他の冤罪事件も解決されることを願うばかりです。

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