まさかの斎藤元彦氏当選の決め手は「公明票」か

 ええと、兵庫県知事選挙の結果なんですが、数万票差で金沢さんが勝つだろうと思っていた私の予想は見事に外れ、自民党と維新の会が推薦した斎藤元彦氏が圧勝してしまいました。

 得票数は、百の位を四捨五入すると、こういう感じ。

斎藤元彦 85.9万票
金沢和夫 60.1万票
金田峰生 18.5万票
中川暢三 14.1万票
服部 修  4.6万票

 構図としましては、今回の選挙は自民分裂選挙でした。

 井戸知事と言う、旧体制の象徴的な男の下で副知事を務めた、金沢さんを自民党県議の大部分が支持。

 一方、自民党本部は維新の会と一緒に斎藤さんを推薦します。

 当初は、民主党系の中でも維新の会と一緒に斎藤さんを支持する動きが有ったのですが、自民党が斎藤さんを推薦すると斎藤さんは「これ以上、推薦の募集をしない」と言い、民主党系は排除されることに。

 なんやかんやで、立憲民主党も国民民主党も、金沢さんを支援しましたが、党としての推薦はしないことに。

 共産党はいつも通り、金田さんを推薦。

 元加西市長の中川さんと音楽家の服部さんの二人は、コロナ禍での過剰な自粛に反対。どちらも政党の支援は受けられていなかった。

 さて、誰を支持するべきか。立憲民主党からは金沢さんを支持するよう呼びかけられましたが、私は自民党と組むことに反対でした。

 政権交代の為には、まず、地方で自民党との違いを見せる必要があります。

 小沢一郎先生は民主党代表時代、都道府県と政令指定都市の首長選挙における与野党相乗りを禁止しました。その結果、平成21年(西暦2009年、皇暦2669年)の政権交代が可能となったのです。

 しかし、小沢一郎先生を党員資格停止にした後の平成24年(西暦2012年、皇暦2672年)には、民主党は与野党相乗りの復活を決定しました。結果、民主党は小沢一郎先生らを除名処分にしたこともあり、その年の内に政権を失ってしまったのです。

 立憲民主党は、過去の成功と失敗とに学んで、地方選挙でも自民党との対決姿勢を鮮明にするべきでした。

 自民党が強いのは、地方の政治を抑えているから、と言うことでもあります。立憲民主党も自民党に負けてはいけないのです。

 とは言え、私が選挙期間中に立憲民主党の対応を非難すると、反党行為になる恐れもありました。また、「井戸県政反対」や「与野党相乗り反対」と言う大義名分があるとはいえ、金沢さんへの不支持が斎藤さんへ有利に働く恐れもありました。

 そこで、私は今回の県知事選で表立って選挙活動をしないことにしました。

 では、誰に入れたのか、ですが、私の投票基準は次のようです。

①自民党には地方選挙であっても絶対に投票しない
②泡沫候補の内、売名目的の極端な主張をしている者にも投票しない
   (死票になっても困るが、万が一当選されても困る)
③新自由主義者の内自民党に近い者にも投票しない
④民主党系分断を煽る候補にも投票しない
⑤日本の國體と相容れない共産党・公明党に投票しない

 この内、優先順位は番号順です。例えば、ある(架空の)選挙区で

「河野太郎」
「釈量子」
「鈴木宗男」
「菅直人」
「志位和夫」

の、5人が立候補してきた場合は、誰も入れたくないのが本音ですが、「そんなに嫌ならばお前が立候補するかもっとマシな候補を連れてこい、いい年した大人が文句だけ言うな」と言う話になるので、究極の消去法として志位和夫に入れます。(「國體否定の共産党を認めるのか!」と言う皆さん、他の四人も充分、國體否定派です。)

 が、通常はそんな「共産党、以下」の候補者が出そろうことはあまりないので、共産党に入れることは殆どありません。(ちょっと皮肉っぽい口調になっていますが、マジで最近の野党は共産党以下どころか未満の候h以下略)

 さて、この基準の内、今回使えたのは「①②⑤」の基準です。これにより、候補者は

①⇒斉藤、金沢候補アウト!
②⇒服部候補アウト!
⑤⇒金田候補アウト!

となり、残ったのは中川暢三先生ただ一人となりました。

 また、中川先生は元首長としての実績もある上に、思想も保守派でしかも自民党とは関係が無い(むしろ対立していた)という、保守二大政党制を考える上でこれ以上ない候補者でした。

 また、オーガニック給食導入を唱えていたほか、コロナについても比較的良い見識を持っており、ヴィーガニズムについても彼ならば理解してくれるのではないか、と言う期待がありました。

 そこで中川候補に一票を投じたのですが、立憲民主党に反抗したい訳では無いので、そのことは黙っていました。

 さらに言うと、私の中では「どうせ金沢さんが当選する」と思い込んでいた節もあります。

 斎藤さんが維新の会だけでなく自民党二階派の支持を設けた時点で失速すると思っていましたし、公明党も金沢さん支持のはずでした。

 ところが、ふたを開けると公明党支持層の4割が斎藤候補に投票していました。

 兵庫県では、参院選で公明党公認候補が自民党公認候補よりも得票することもあるぐらい公明党が強いので、公明党支持層の動向は斎藤候補当選に大きく動いたと考えられます。

 ここまで派手に票読みを外したのは恥ずかしいばかりですが、私の予想(金沢候補が僅差で当選)を大幅に上回って斎藤候補が20万票以上の圧勝をしてしまいました。

 なお、前回参院選での公明党公認候補の得票数は50万票強ですので、そのちょうど4割が20万票となります。

 既に述べたように、私は共産党や公明党と国体観は一致しませんが、彼らを頭ごなしに否定はしません。公明党が新自由主義の防波堤になってくれるならば、大いに活躍してほしいです。

 しかしながら、今回の選挙結果は、兵庫県において自民党以上の集票力を持つ公明党が、最早新自由主義の防波堤としての役割を果たしていないことを示しており、私としてはとても残念です。

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