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「九条改憲推進派」と「選択的夫婦別姓推進派」との共通点

 初めに言っておきますが、「九条改憲論」にも「選択的夫婦別姓論」にも様々なタイプがあります。

 例えば、私は「選択的夫婦別姓反対派」のレッテルを良く貼られますし、判りやすくするために私もそのレッテルを利用することはありますが、そもそも「夫婦別姓」自体が定義も曖昧な言葉ですので、私の主張する「婚姻制度選択制」も一種の夫婦別姓容認論と言うことはできる訳です。

 ただ、今、永田町で推進されているのは「自衛隊明記の為の『日本国憲法』第9条改正」「戸籍婚における選択的夫婦別氏(同一戸籍同氏原則の破壊)です。

 で、これらの推進派の主張を見ると、どちらも決まり文句のようにこういう主張を言うのですよね。

「憲法9条のせいで日本を守ることが出来ない!反対派は売国奴だ!」

「夫婦同氏は女性への改氏強制だ!反対派は女性差別だ!」

 どちらも「愛国」や「男女平等」と言った、誰もが反対できない概念を持ち出して攻撃してくる訳ですが、これらはあくまでも「何となく良いこと」を言って自分によって他者を攻撃しているだけに過ぎません。

 そもそも、彼らが本気でそういう主張をしているのでしょうか?

 現行法でも可能なことを現にやっている人間が法改正を主張しているならば「本気だな」と思うでしょう。

 しかし、実際には9条改憲推進派も選択的夫婦別姓推進派もどちらも「現行法でも可能なことをやらない」と言う共通点があります。

 『日本国憲法』第9条があっても自衛隊は合憲です。今時自衛隊違憲論を言っているのは共産党と社民党ぐらいで、社民党も前身の社会党時代を含めると村山内閣・橋本内閣・鳩山内閣と三度も政権に参画しましたが、自衛隊合憲の政府見解の変更は求めておらず、共産党も連立政権に参加した場合は自衛隊違憲論を政府方針とするわけでは無いと明言しています。

 だから、『日本国憲法』第9条が理由で自衛隊が廃止されるとすれば、共産党と社民党だけで国会の過半数を握ると言う現実的にあり得ない状況が実現した場合のみです。

 こういうと「いや、共産党が単独で政権を握る可能性もゼロではない!そのための憲法改正だ!」と言う輩が出てくるかもしれません。

 しかしながら、今の自民党の改正案は「自衛隊は軍隊では無いとして憲法に明記する」と言うものです。そうすると、共産党は「いや、新憲法でも自衛隊は軍隊では無いと書いてあるのに、実際には軍隊のように運用されているから違憲だ!」と言ってくるでしょう。そう、「自衛隊明記の為の改憲」とは「意味のない憲法改正」なのです。

:なお、本気で政府がそんな意味の無いことをするはずがありません。仮に本気で政府が『日本国憲法』第9条改正をやろうとするならば「フルスペックの集団的自衛権行使解禁」を絶対に盛り込んでくることでしょう。しかし、そんな改正案が通ることはまずないので、当分は9条改憲の発議をしないのが本当の処でしょう。既に「戦争参加法制」を通している政府は「憲法改正」ではなく「憲法無視」を貫くと考えられます。

 それはともかくとして、立憲民主党は『日本国憲法』第9条下でも日本を守れるようにするため『領域警備法案』を提案するなどしてきました。

 なお『領域警備法案』には自民党の佐藤正久議員(元自衛官)も賛成しているのに、安倍政権から岸田政権に至る歴代自民党執行部によって握りつぶされています。

 「改憲しなくても出来る国防政策」をやらない自民党政権の言う「愛国」「国防」が本気では無いことは、言うまでも無いと考えますが、それを理解できないのがネトウヨです。

 ちなみに、安倍さんが「公約には出来ることしか書かない!」と言いながら未達成の愛国的な公約は以下の通りです。

・政府主催の「竹島の日」式典の開催
・尖閣諸島に公務員駐留
・『村山談話』『河野談話』の見直し

 はい、「出来ることをやらない安倍さん」を信じる人がもしもいれば、彼らは立派な「衆愚」です。世間では「出来ることをやらない男」なんか、「信用してはいけない男」「信じた方が悪い」と思われますよ?

 で、次に選択的夫婦別姓推進派ですが、女性に改氏を押し付けられるのが差別だと言うのであれば、現行法でも可能な「男性改氏」を推進すればよいのです。

 現に、今よりも遥かに男尊女卑な昭和の時代において、私の祖父は祖母の名字に改氏したわけですが、なんで昭和の時代でも出来たことを令和の御代になってもやらないのでしょうか?

 現行法でも可能な男女平等な運用を取らない人間の言う「男女平等」など、決して本気の主張ではないと言うことは、言うまでもありません。

 いや、別に今回は「彼らの本当の目的は生命軽視と家庭解体である」等と論じる訳ではありませんから、ご安心ください。

 また、「夫婦別氏」を実現するための法整備にも様々な方法があるのに、わざわざ「同一戸籍同氏」の原則を破壊する方法だけが選択されていることからも、彼らの本音が決して「男女平等」等では無いことは明白です。

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 このように、9条改憲推進派にも選択的夫婦別姓推進派にも「出来ることをやらない」と言う共通点があります。

 ちなみにこの両者、ネットでは同類とは仲が悪いようですが、少なくとも上の方の主導者は仲良しです。例えば、稲田朋美議員の講演会を『朝日新聞』が主催していたりしますからね。

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 また、日本維新の会は9条改憲推進派にして選択的夫婦別姓推進派でもある政党ですね。

 「選択的夫婦別姓アクション」も自民党や公明党、日本維新の会と仲良しですし。


 あと勘違いされている方もいるようですが、岸田文雄首相も選択的夫婦別姓推進派ですからね。(選挙で保守票を得るために曖昧になっているだけ)

 と言う訳で、国民の皆様が9条改憲推進派や選択的夫婦別姓推進派に煽られても何も変わらない、政権も変わらないと言うオチが待っている訳です。

 そんなオチにならないためにも、まず「出来ることをやらない奴らは信用しない」と言う、初歩の初歩を政治家に対しても貫くようにしましょう。


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