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兵庫県知事がエライことになっているが「身を切る改革」自体が既にダメ

 兵庫県で元西播磨県民局長が自決をする事態となっているのに副知事は辞任しながら知事は辞任しないという無茶苦茶な事態になっていますが、副知事が辞任しただけ、森友学園問題でハンコを押しておきながら自認しなかった安倍政権の麻生太郎副総理よりかはマシかもしれません。
 ただ、斎藤元彦知事を会派分裂までして推薦していた自民党が、あっさり他人の振りをして百条委員会設置に賛成、さらに公明党に至ってはこの期に及んで百条委員会設置に反対するなど、今の兵庫県の問題は知事だけでなく県政界全体の問題であると言わざるを得ません。
 県知事によるパワハラは一見すると個人的な問題と思われるかもしれませんが、今回自決した元局長の内部告発文書には地元企業からの贈答品受け取りなどに関する疑惑も含まれていたと言い、これは県政全体の問題なのです。
 しかも、県はこの元局長に対して「退職を認めず、停職にする」という意味不明な処分も行いました。
 退職を認めると懲戒処分が出来ないから、ということでしょうが、懲戒免職処分が該当するようなことであれば退職を認めずに懲戒免職にするという方法もあり得るものの、実際には懲戒免職には該当するような行為をその職員はしていないからこその、停職処分なのです。
 つまり、単に「懲戒免職にするほどのことではないが、何らかの形で処分は下したいから退職は認めん!」という、実に下らない理由で人事権を行使したのです。
 ところで斎藤元彦知事は維新の会の推薦を受けていますが、かつて自民党も彼を推薦し、公明党も未だに百条委員会設置に反対しているということには、「身を切る改革」を称賛してきた昨今の政治風潮の問題を指摘せざるを得ません。
 思えば、西播担当の局長が自殺に追い込まれたという事実が、とても象徴的です。西播地区では斎藤元彦知事への反発が強く、県知事選では全ての自治体で斎藤元彦知事の得票率は半分を切っており、自民党所属の県議ですら公然と対抗馬の候補を応援していた人がいたからです。
 そして、実際に西播地区では斎藤元彦知事による「身を切る改革」によって、高校の統廃合等が推進されています。多くの県民が彼に投票しなかったのは、誠に正しい決断であると言わざるを得ません。
 私自身、県知事選挙では斎藤元彦知事ではなく中川暢三先生に投票しました。
 ただ、「畿内」である摂津方面では斎藤元彦知事が圧倒的な得票率を誇りました。
 何度も言っていますが、兵庫県は畿内、山陽道、南海道、山陰道の4道に跨る都道府県です。関東地方は関東全体で東海道と東山道しかありませんから、兵庫県は1県で関東地方全体よりも多様性に富んでおり、当然有権者の投票傾向も全く違うのです。
 話を戻すと、今回の件は「身を切る改革」が(一部の地域の)有権者に受けるという理由で今の県知事を擁立した人たちにも責任がある、ということです。
 国政と比べて県政は注目を集めにくいものですが、より県民の生活に関係するものですから、無関心であってはなりません。
 私は明確に「身を切る改革」に反対するスタンスで県政改革を訴えていきます。


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