オードリー若林という男
芸人オードリーの若林さんをご存じだろうか。
私は彼の漫才も好きだが、バラエティー番組でのキレのあるトークや、司会までこなせるというすごい人だと思っている。
アーティストのmiwaのライブでラップを披露している動画を見て衝撃を受けた。
彼は明るく、才能のある人間だと思っていた。
だが彼はかなりの人見知りだそうだ。
何年も前だがアメトークで「人見知り芸人」を見たときは驚いた。
若林さん以外にも、テレビの中では明るい芸人さん達が人見知り芸人として出ていた。
こんなに面白くトークできる方たちが人見知りとはどういうことなのか?
私にはまったく理解できなかった。
そう、私が人見知りだからだ。
本当に人見知りの人間は人前で漫才なんかできない。仕事だとしても芸能界の大先輩と一緒におもしろい番組を作ることなどできないと思う。
私の過去を振り返ってみよう。
私は小さいころから人見知りだった。
私の母は自宅でピアノ教室を開いており、私は習っていなかったが、母が生徒たちにクリスマス会を開いたときは私も参加させてもらったことがある。
クリスマス会のメインイベントと言えばビンゴゲーム。
数字が読み上げられ、穴を開けるときは隅っこでワクワクしている。
しかしいざビンゴとなってしまうと景品を取りに行かなければならない。
私はそれができなかった。ビンゴしたのにも関わらずピアノの下でモジモジしているような子供だった。ついには母に見つかり、泣きながら景品を選んだ記憶がある。
ビンゴゲームは人見知りじゃない人のゲームだと今でも思っている。
大人になった今でも、結婚式の2次会などで行われるビンゴゲームや抽選に当たりたくないと思ってしまう。
ほんとは景品が欲しいのだが、みんなの前に出てインタビューを受けるのが恥ずかしいのだ。だったら別に当たらなくてもいいと思ってしまう。
これは若林さんも同じ話をしていた。
こんな自分がずっと嫌いだった。
高校生になってもさほど変わらなかったが、仲の良い友達2人が生徒会に入っていた。そんな2人が楽しそうにしているのが羨ましかった。
ある日その内の1人が生徒会を辞めると言ってきた。私はチャンスだと思った。彼の代わりに自分が入ってやろうかと。
「自分を変えたい」
ただその勢いのまま立候補した。
候補者は演説をしなければならない。全校生徒約1000人の前でだ。
どんな演説だったか記憶にないが、その時の光景は今でも覚えている。こんな自分がよくやったなと思う。
しかし大学生になってもこの根っからの人見知りはあまり変わらなかった。周りには明るく面白い友達がたくさんいたが、いつもその陰に隠れてしまう。
ほんとの自分を出すことができないのだ。
もっと自分を出せていれば、もっと楽しい大学生活だっただろうに。
これは私の人生の永遠のテーマだ。
よし、まずはビンゴゲームから克服していこう。
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