【邦画】「さがす」

2022年の、片山慎三監督の作品「さがす」。Amazonプライムにて。

あの、市橋達也事件と白石隆浩事件を題材としたと思われる作品で、他にもあったよな。題材になりやすいのかしら。

指名手配中の連続殺人犯の若い男(清水尋也)と知り合いになって、彼にかけられた懸賞金欲しさに娘の前から失踪して行動を共にする、だらしなくてダメダメな父親(佐藤二朗)と、その父親の行方を追う中学生の娘(伊東蒼)の物語。

娘が、男友達と共にダメ父を探して行く中で、いろいろと明かされていく裏の顔ってなもんだが、この娘役の伊東蒼ちゃんの演技がまた素晴らしいね。下町の地の大阪弁が自然と入って来るし。

娘に「そんなの当てにしないで働き」と怒られる佐藤二郎氏のちょっとユーモラスな様子と良いコンビだ。ダメダメな父親に呆れながらも、ちゃんと世話を焼いて慕っている姿は、観ていていじらしい。

でも、それだけだなぁ。

気を衒ったような、ヘンタイ度が増すようなシーンもあるが、流れに逆らってるようにしか思えないし。

現代を材料に、陰惨な事件で現代を描きつつも、昔ながらの父親と娘の関係をヒューマニズム的に表現した感じだ。さらに、下層階級の人間は、どう足掻いても、結局は同じことを繰り返してしまうという諦めもあるように思う。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。