【映画】「縞模様のパジャマの少年」

ラストが衝撃的だった「縞模様のパジャマの少年(The Boy in the Striped Pyjamas)」(2008・英米合作、マーク・ハーマン監督)。

これもホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)を題材にした映画で、フィクションだけど、最後、ええ!それはねえだろ…とあんぐりしちゃったよ。2006年出版のジョン・ボイン(!)の小説が原作。

ナチス親衛隊の父が昇進で新たな任務を命ぜられて、ベルリンから田舎に引っ越して来た、主人公の少年ブルーノと姉グレーテル、母のエルサの3人家族。
首都と違って田舎であるため、ブルーノは、家庭教師の訪問で勉強する他には、友達もいなくて退屈な日々を送っていた。
ある日、ブルーノは家の裏を冒険してる時に、近いところに農場のような施設を発見する。
そこは厳重な有刺鉄線で囲まれており、中に縞模様のパジャマを着た、ブルーノと同い年の少年シュムエルが座っていた。
程なくして仲良くなった2人。
ブルーノは大人達には内緒で、決まった時間に通い、有刺鉄線越しに食べ物を渡し、ボールを投げたりして遊ぶ…。

そこは強制収容所で、シュムエルはユダヤ人で迫害を受けてたわけだが、ブルーノは特別な農場くらいにしか思ってなくて、ホロコーストのことなんて何も知らない。

家にも召使いのように使われてたユダヤ人がいて、彼への待遇やシュムエルの話、父親他、親衛隊連中の行動などから、少しずつ、ユダヤ人が置かれた立場を理解するようになってくる。

また姉のグレーテルはバリバリのヒトラー・ユーゲントになっていく。

父親の新たな任務というのが、実は強制収容所の所長だったのだが、収容所の煙突から昇る煙から、殺したユダヤ人を焼く臭いがしたり、夫の仕事の内容を知らなかった妻が真実を知って精神的にちょっとおかしくなってしまう。アイヒマンの家族もそうだったが、当時はホロコーストは極秘のうちに行われていたわけだ。

妻は、ここは子供達にとって良くない環境だと、夫を残して別の場所へ移動することを決める。ブルーノはシェムエルのことが気にかかり、引っ越す日に隠れて会いに行く。「父がいなくなった」というシェムエルの為にブルーノは有刺鉄線の下に穴を掘って、シェムエルと同じ縞模様のパジャマを着て中に入る。2人は収容所内を探し回るうちに、無理矢理、多勢のユダヤ人と共に“シャワー室”に入ることに…。

何も知らない家族は懸命にブルーノを探すけど、わかった時はもう手遅れだったとあんぐりするしかない展開。悲しいね。

青い透き通る目の少年の無邪気過ぎる視点ゆえに、ホロコーストの残酷な実態が際立つのだが、ハッピーエンドで終わるわけはないのはわかってるけど、後味悪いねぇ。子供が犠牲になる映画はやっぱり辛いな。

欲を言えば、もっと、ブルーノとシェムエル、立場の違う少年2人の心の葛藤に時間を費やしても良かったのでは。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。