【映画】「ファニーゲーム」

めっちゃ不快になる、めっちゃ胸糞悪い映画だった。

「ファニーゲーム(Funny Games)」。1997年のオーストリア映画。監督はミヒャエル・ハネケ。

残酷で暴力的なシーンがあるというわけじゃなく(血糊だけで多分、意図的に見せてない)、基本、心理劇なんだが、それが犯人2人の会話や仕草、表情、動きなどから、淡々と底冷えがするくらいに、陰湿で凄惨で狂気が際立っていて、とにかく眉をひそめるしかなかったね。

犯人が、映画を観てる観客に向けてジェスチャーをしたり、最初、犯人に都合が悪い結末となって、ビデオのリモコンで話の流れを巻き戻してやり直したり、“メタ演出”という斬新な技法を使う場面もある。早送りで巻き戻すところなんかDVDプレーヤーがおかしくなったのかと焦ったよ。こんな演出をすること自体が不快でムカつくけど(笑)。

時折狂ったように流れるBGMはスラッシュメタルみたいだけど、なるほどネイキッド・シティのジョン・ゾーンだったのか。

夏に、休暇で別荘にやって来た夫ゲオルクと妻アナ、息子ショルシ、愛犬のショーバー一家。
別荘で妻のアナが夕食の支度をしてると、見知らぬ男が卵がなくなったので譲ってほしいと訪ねて来る。
アナは卵を渡すが、男は2度も落として割ってしまう。さらに家の電話を水没させてしまう。
そして、もう1人の男も加わって3度目の訪問時、男らの態度を見かねた夫ゲオルクが「もう帰ってくれ」と男の1人に平手打ちを食わせる。
その途端、男らは豹変し、ゴルフクラブでゲオルクの脚を折り、一家全員をソファーに縛り付ける…。

そこから、ネチネチと特別な理由もなく、アナを中心に家族をいたぶる場面が続くのだ。リーダーっぽい男の「明日の朝まで君たちが生きていられるか賭けをしないか?」から、もう執拗にニヤけながら飛び出す言葉におぞましいものを感じてしまう。

結局、家族3人とも殺してしまうが、最後のアナを湖でボートから突き落とすシーンなんか、殺すぞ〜なんて特別に抑揚もなく普段からの日常のようにサッと突き落として終わり。

んー、スゲ〜胸糞悪いなぁ。救いがありそうで全くない。暴力はどんなものでも不快であることに変わりはないけどさ。嫌悪感しか残らなかったので、多分、ハネケ監督の意図することは充分、俺には伝わったと思う。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。