「夕陽のガンマン」

観たかった「続・夕陽のガンマン」が、菊池のTSUTAYAになかったので、別作品だというけど、最初の作品「夕陽のガンマン(For a Few Dollars More)」(65年・イタリア、セルジオ・レオーネ監督)を。

西部劇、しかもマカロニ・ウェスタンなんて、ガキの頃、TVのロードショーで観て以来だ。

いや〜、若きクリント・イーストウッド演じる流れ者の名無しの賞金稼ぎ、ポンチョを纏ったモンコが登場するとき、口笛を吹くようなシブい音楽が流れて、眼を細めニコリともしないダンディな彼がバァァンと登場するという定番のシーンが嬉しくてたまらなくなるね。

早撃ちで帽子だけを飛ばしたり、眼にも止まらぬ早さで次々と3人を倒したり、野郎だったら誰でも興奮するであろう場面は何も考えずに観てるだけでいい。もう全ての仕草がいちいちシブくて痺れるよ。

まあ、ストーリーは2人の賞金稼ぎのお話なんだが、町の銀行を襲撃して大金をせしめようとするインディオ一味を、若いモンコと、老年のダグラス・モーティマー大佐の2人が騙し騙され、協力して退治していく。

インディオは昔、モーティマー大佐の妹を辱めて死に追いやった過去を持つ。大佐にとっては、そのインディオへの復讐劇でもある。対し、モンコは徹底したクールな賞金稼ぎで過去は明かされない。モンコは若く激しい性格で、何でも勢いで素早く片付けようとする。一方、大佐は初老だけど、上品な身のこなしで予め計算して計画を立てて確実に仕事を片付ける。そんな2人の対比も面白い。

オルゴールが鳴り終わると同時に撃ち合うなんて演出もマカロニ・ウェスタンならでは。「必殺仕事人」のようなBGMもシブい。

ちょっと長過ぎてダレるところもあるけど、女がチラッとしか出てこない薄汚れた野郎どもだけの、野郎のための映画、これは男だったら子供でなくともエキサイトするね。

欲にまみれた悪を退治するのは、決して勧善懲悪の正義のヒーローなんかではない。自由な美学を持ったプライドの高いストイックな“流れ者”の賞金稼ぎなのだ。昔も今もそうだ。わからない未来のために生きてるのではない。今を生きているのだ。ヒュルル〜ヒュルル〜…。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。