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石炭産業科学館

福岡・大牟田市にある「石炭産業科学館」に行ってきたぜ。

明治から昭和にかけて、国内最大であった三池炭鉱とその石炭を海外にまで積み出した三池港の歴史を展示したものだ。

三池炭鉱は1997年に需要がなくなり閉山となったけど、今も大牟田市と近くの荒尾市には石炭産業に関する様々な施設が数多く残されてるのだ。

この地域(と他九州・山口の8エリア)は、“明治日本の産業革命遺産”として、2015年に世界文化遺産に登録されたばかり。

まあ、実は石炭産業や製鉄・製鋼、造船なんて、規模が大き過ぎて、あまり興味がないのだが、幕末から明治、昭和におけるこれらの産業の近代化の裏に必ず労働者の犠牲を伴う暗黒の裏歴史があるから、それを見に感じに行ってきたわけだね(笑)。山ほどパンフを貰って全部見るのがタイヘンだけど。

社会科見学に来た小学生にもわかるように音声や機械、ビデオ、光などを使った懇切丁寧な展示で勉強になった。

フェイクの地下エレベーターで深く降りた体で出て、坑道を行く体で先に進むと、石炭を掘るデッカいメガマシーンが展示してあって、昔と違ってコレだったら労働者も幾分ラクだねぇ、よくこんなの作るねぇ、と面白かった。

やっぱり、特に戦前・戦時中は、1000人くらいの朝鮮人、中国人、捕虜等による強制労働が支えてたわけだ。彼らが収容された宿舎に、故郷を想う落書きが残されてたりする。

子供でも一番危険な坑道の奥に行かされると死ぬ確率も高いため、自分の腕をトンカチで潰したり、トロッコに手を引かせたりして、必死になって抵抗したという。

また、多くの労働者が炭鉱労働で健康を害し、後で寝たきりになってしまった者も少なくない。

戦後は、日本最大の労働争議である三池争議(ビデオを見たけど、会社・警察との衝突が凄かった)、500人近い死者を出した三川坑での爆発事故などが起こってる。坑道も有明海の中心部(スゲ〜!)くらいまで掘ったらしい。

そうそう、三井三池炭鉱の初代経営者、團琢磨って、右翼の井上日召による血盟団事件で私利私欲に走る財閥帝国主義者として射殺されてるんだよな。

ほとんど見学者もいない科学館の前には、デッカい駐車場のイオンモールがあってそちらはタイヘン賑わってたが、ココはもう終わってしまった時代のことなんだなぁってシミジミ思ったよ。

今度は北九州に行ってみるか?その前に俺様の生誕地、大分県日田市だ!

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。