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「悪魔が来りて笛を吹く」

西田(敏行)金田一の「悪魔が来りて笛を吹く」(79年、斎藤光正監督)をちゃんと観た。

うーん。市川崑監督の石坂(浩二)金田一があまりにも素晴らしいので、やっぱ見劣りするなぁ、てか駄作だね、こりゃあ。あっ、コレは東宝じゃなく、角川春樹事務所か。

等々力警部も夏木勲じゃなく加藤武がいいよね。普通の、TVの二時間ドラマにでもあるようなサスペンスフィクションみたいになってて、映画で表すことができる独特の美学や余裕を感じない。

元子爵、椿家の乱れまくった男女関係によって産まれた兄妹の悲劇の果ての復讐物語。「許されない子供を身ごもってしまったんだ!あなたにこの気持ちがわかるか!」と怒っても、愛し合ってしまうのは仕方ないとしても、なぜ避妊具を使わないのか、それはお前らの問題だろうよ、って反発したくなるね。

西田金田一は独特でそれなりに良いとは思うが、なんか下品な感じがする。池波志乃演じる菊江の笑い声がキャハハと異常に高くイライラする。梅宮辰也や中村雅俊、横溝正史、角川春樹の出演もなんか場違いで浮いている。

良いところは、斉藤とも子演じる美禰子が若くて清楚でキュートなお嬢様でロリコンの俺にはたまらないことと、その逆の、男を漁る妖艶なお母様・秋子、鰐淵晴子が性欲に素直なところ。よろし。

娘の美禰子に男と寝てるところを見られた秋子のセリフがまたイイね!
「美禰子さん、あなたにはわからないでしょうけど、私の体には虫がいるの。何十匹も、何万匹も、いつもザワザワと動き回っているの。死んだお父様に、治してください、って、お願いしたわ。でも、ダメだった。あの方は、デリケートで、お優しくて、立派な方だったけれど、いろんな意味で弱かったの」…。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。