【古典映画】「東京行進曲」

「瀧の白糸」のDVDに、オマケのように入ってた「東京行進曲」。1929(昭和4)年の無声映画で溝口健二監督作品。

オリジナルは101分だが、大半が消失して、現存してるのは30分あまり。

貧しさのために芸妓になった幸薄い美人を、富豪の青年3人が好きなるが、1人(弟と同じヨシキという名前!)、熱心に彼女を追いかけて実りそうになるが、実は彼女は自分の妹であることがわかって、別の男が、必ず彼女を幸せにするとヨシキに約束、ヨシキは独りイギリスに渡るという話。一応、ハッピーエンドだった。

冒頭の、病気で死ぬ美人の芸妓の母親のセリフ。
「よく覚えておき。男は女が身も心も投げ出して惚れたとなると、もう翌日から飽き始めているんだ。お前も大きくなったら誰にも惚れちゃいけないよ。女は惚れさせるだけでたくさんなんだよ」。

溝口監督の家はとても貧乏で芸者をやってた姉の世話で青春時代を送ったらしい。封建的な時代の中で育って、女性の犠牲の上で男が出世するなんてのはダメだというのが、監督の生涯のテーマだったという。

女性に対する罪の意識が次から次へと出てくるんだな。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。