【洋画】「エディ・コイルの友人たち」

TSUTAYA発掘作品「エディ・コイルの友人たち(THE FRIENDS OF EDDIE COYLE)」(1973年・米、ピーター・イエーツ監督)。

「狩人の夜」のカルト俳優ロバート・ミッチャムが、アメリカの下町で、裏社会からの拳銃の調達を担う、疲れたしがない中年男の役。

下層階級において、生活のために仕方なく表と裏を行ったり来たりしていて、以前、密造酒の輸送で挙げられ、裁判を抱えており、仲間を裏切って司法取引に応じ、密告屋になろうとするが…。

目立った暴力やドンパチもなく(銀行強盗のシーンはあるけど)、セリフだけでもってるような地味な作品だけど、ロバート・ミッチャムが取引相手に話すセリフが、誰であろうと臆せずに、否定の否定で無理矢理、納得させるような言葉で、しがない中年男ゆえにシブくて哀愁が漂ってて、むっちゃカッコいいのだ。

マネしたくともマネできないねー、このいぶし銀は。往年のピーター・フォークみたい。

しかし、取引で揉めて恨まれて、バーのハゲ男に誘われて飲まされて、しこたま酔って、あっけなく撃たれて死んじゃうのはちっと拍子抜けだったなぁ。

下層階級の、しがない小悪党の転落の人生の一場面を描いたものだけど、コレはロバート・ミッチャムだからこそできる映画だと思うね。他の俳優だったらこうはいかないだろう。

ロバート・ミッチャムが演じるエディ・コイルが、バーのカウンターで自分の拳の古傷を見るシーンがあるけど、「狩人の夜」の「LOVE HATE」のtattooの跡を思い出してニヤリとしてしまう。

アメリカの下町の犯罪多発エリアのヤバい雰囲気、70年代の犯罪映画によく出てくるけど、色褪せててノスタルジックでイイよねぇ。ロバート・ミッチャムがよく似合う。

ホントに地味なフィルムだけど、ハリウッドのフィルム・ノワールだな。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。