【映画】「オペラ座/血の喝采」
これも去年観たものだけど、これぞイタリアのジャーロ・ムーヴィー、「オペラ座/血の喝采(Opera)」(1987)。監督は「サスペリア」のダリオ・アルジェントだ。
ジャーロ映画ってのは、残酷な殺人シーンがあったり、過剰に血糊が出てきたりとスプラッターみたいだけど、ストーリーとかナンジャコリャとチープなB級で、必ずカワイイ・キレイな女の子が主役となり、時折エロ的要素も入ってるが、カメラワークや映像、セットのデザインだけは斬新でスタイリッシュでモダン、加えて、え?こんなとこで…と突然、ヘビメタなど合わない過激な音楽を使ってたりする、とにかくイタリアらしいトンデモ・ホラー映画のことだ。
サイコの心理学的テーマが多いのも特徴。多分、お国柄でイタリア演劇の影響があるんじゃないだろうか。知らんけど。
この映画もソレで、オペラ「マクベス」の主演女優が交通事故にあったため、新人のベティが主役に抜てきされる。
だが、「マクベス」の舞台は不幸を招くという噂通りに、ベティの周りで事件が起きる。
まず、初演の際に照明係が襲われて殺され、ベティが恋人とベッドにいるところを襲われて縛り上げられ、まぶたを閉じないように目の下に針を貼り付け(!)、目の前で恋人が惨殺されるところを見せつけられる。
その後、同様に衣装係もエージェントも殺されて、ベティを守るために警察が送った護衛さえも殺される…。
目の下に鋭い針数本をテープで留めて眼をひん剥いてないと針が刺さってしまうシーンだけはどこかで見て知ってたなぁ。もうチクチク痛そうでたまらん。
そういうホラー的演出はアルジェントらしくて素晴らしいのだけど、なかなか警察に電話しないベティから、追い詰められたベティがいきなり現れた少女に助けられたり、殺人鬼の焼死体がマネキンに代わってたり、これまたいきなり別荘に殺人鬼が現れたり、カラスは復讐する動物といって殺人鬼を襲ったり、やっと事件が解決したのにベティが「ほっといて、独りにして」といえば警察も身を引いたり、随所におかしなところが見られ、首をかしげる場面がいっぱいなところは、さすがジャーロ映画。細かいところは気にしない。
主演の女の子の可愛さと、サイコパス殺人鬼(実は警官だった)による猟奇的な殺人描写だけでもってる映画だ。
例によって殺人鬼が現れるシーンのBGMは合わないヘビメタで気が抜けるよ。
まあ、ダリオ・アルジェントのジャーロだから良しとしよう。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。