【映画】「日本のいちばん長い日」

コレぞ終戦記念日に観るべき映画?「日本のいちばん長い日」(1967、岡本喜八監督)。

やっぱり2015年のリメイク版(原田眞人監督)じゃなく、モノクロの古いヤツね。

“いちばん長い”って、この映画が長いっちゅーの。

日本への降伏要求であるポツダム宣言を受けて、当時の内閣とヒロヒト天皇が降伏を決定した1945年(昭和20年)8月14日の正午から宮城事件に至るまでの流れ、そして、ヒロヒト天皇がラジオの玉音放送を通じてポツダム宣言の受諾と完全降伏を知らせる翌15日正午までの24時間を描いた。

一見、ドキュメンタリー風で興味深く観たけど、やっぱり陸軍の、ほとんど狂気の所業にイライラさせられた。目をギョロッと見開いて、口角泡を飛ばして、「ニッポンを守るのだぁ!」と叫ぶ様子は恐ろしくて笑っちゃう。

ポツダム宣言、完全降伏を国体の護持を理由に絶対に受け入れられないとする陸軍の連中が、自己保身と意味のないプライドを守るために、戦争継続と本土決戦による一億総玉砕を主張する。

閣僚会議と天皇参加の御前会議を何回開いても、ハッキリとした結論が出ない間に、広島、長崎に原子爆弾が落とされてるのに。

前線の兵士や国民のことを全く考慮してない陸軍の連中の勝手な論理に腹が立ってくる。彼らの精神主義のために犠牲になった兵がどのくらいいることか。玉砕を主張して無駄な会議を何回も開く暇があったら、即、前線に赴いて突っ込んで死んでこい、腹を切ってこい、と言いたくなるね。

三船敏郎演じる阿南惟幾陸軍大臣など、戦争指導者を英雄視してるような描き方でちょっと疑問に感じた。阿南氏は玉音放送を聴くことなく割腹自裁してるけど。

ヒロヒト天皇が、陸軍と違って、これ以上国民を苦しめたくないとポツダム宣言受諾を決断しているが、俺は戦後の発言などからこれは作られたものではないかと思ってるけど。ヒロヒト天皇は自分が求められる役割にとても忠実な君主であったと考える。

226事件のような宮城(きゅうじょう)事件は、ポツダム宣言受諾と降伏に絶対反対の陸軍の将校と近衛師団らが中心となって起こしたクーデター未遂事件だけど、1人を殺害した他、2人がピストル自殺で終わり、首謀者は、敗戦により裁かれることもなかった。

映画公開当時、まだヒロヒト天皇は存命で在位中だったから、顔が映らないように特別な配慮がなされている。

鈴木首相は終戦で「これからは老人の出る幕ではないな」と言ったが、果たして終戦で日本人の価値観は大きく変わったのだろうか?
日本精神なんて今では到底理解不可能だろう。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。