【洋画】「流されて…」

昔、観たかったんだよ、この映画。設定が野郎の願望で、なんかイヤらしくてねぇ。Amazonプライムにあるぢゃないか!1974 年のイタリア映画「流されて…(Travolti da un insolito destino nell'azzurro mare d'agosto)」(リナ・ウェルトミューラー監督)。

ブルジョワ連中の豪華な船旅の途中、ボートで遠出したブルジョワ夫人と使用人の男が遭難して、2人は無人島に辿り着く。
船の上では、高慢チキにワガママに振る舞っていたブルジョワ夫人だが、無人島の文明とは隔絶された環境の中で、やがてブルジョワ夫人と使用人の、主従の関係が逆転してくる。
ブルジョワ夫人は、使用人の男の野生的なサバイバル能力に、従順になって、女として男を愛するようになる…。

若い頃、無人島に女の子と2人流れ着いたら…といろいろと想像したものだ。男目線の映画は、今では女性差別的と批判されると思うが。

ブルジョワ夫人のラファエラは、最初からペラペラよく喋る。左翼的な考えの男連中を言い込める、共産党が大嫌いな小生意気な女性という設定である。

対して、貧乏な使用人の男ジェナリーノは、髭モジャで野生的な雰囲気だが、事あるごとに、ラファエラに、アレしてコレしてと命令されてアゴで使われている。彼は陰で「チクショー、売女め!」とグチをこぼしている。

無人島では、ラファエラがワガママを言うと、ジェナリーノは彼女を殴って、言うことをきかせるが、ついに、ラファエラと無理矢理、肉体関係を結ぶことに。そこからラファエラは、女としてジェナリーノに対して従順になるのだ。

しかし、偶然、救出されることになると、ラファエラは、そのまま無人島での生活を望みながらも、元のブルジョワ夫人としての生活に戻っていく。ジェナリーノも、2人で島に戻ろうと提案するが、舟に彼女はやって来ない。仕方なく彼は妻と子供のいる家へ帰るというラスト。

夢を見たままの男と、未練はあるものの、現実に戻る選択をする女。男と女の違いが現れたシーンだ。

70年代のイタリアらしい映画だね。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。