【映画】「女の一生」

1967年の日本映画「女の一生」。

監督は、「八つ墓村」の野村芳太郎だ。

原作は、モーパッサンの同名小説(未読)で、文芸大作かと思ってたら、意外と、わかりやすいメロドラマだった。

メインの弥生伸子は乙女の頃から老女になるまで岩下志麻が演じる。古いタイプの昭和の女が、ダメ男に翻弄される人生を描いたもの。

信州・長野の裕福な家のお嬢様・伸子が、東京から来た“女たらし”の男に騙されて結婚してしまったことから、様々な不幸に見舞われる。

一見、好青年のイケメンだから伸子はもとより、両親(宇野重吉他)や奉公人まで騙されてしまう。

男は、伸子と婚約中から伸子と乳姉妹だった女中(左幸子)を妊娠させるクズっぷり。挙句の果てには、地元の会社の、色っぽい社長夫人(小川真由美)と浮気して、一緒にいるところを社長に夫人共々、銃で撃たれて死ぬ(社長も自害)。

伸子は既に妊娠していて男の子を産むが、コレが親父の血なのか、しょっちゅう伸子に金を無心する道楽息子(田村正和)に育ってしまう。

結局、道楽息子は、キャバレーの女を妊娠させて(女は病気で死ぬ)、伸子がその子供を引き取ることになる…。

私の人生っていったい…てなもんだが、昭和の旧世代の女の幸せを問いかけた作品だと思うけど、やっぱり夫や息子、男に対する依存度が高い。

息子があんなにダメになったのも、何でもワガママを聞いて、惜しげもなく金を与えたからだし、男を通してしか自分を見つめようとしない。「◯◯ちゃん、あなたのためを思って言うのよ」は決して息子のためじゃなく、自分の満足のためである。それで、言うことを聞かなければ、裏切られたと泣くのだ。

多分、今の女性がこの映画を観ても、全く共感できないと思われる。旧世代の価値観を知るには良いけど。

裕福だった家も没落して、夫の子供を身籠った女中と再会して、その女中の家に住み、いろいろと教わって、道楽息子の子供を引き取って、道楽息子も帰って来ることになって、やっと私にも幸せが…だけど、基本的に男に依存するという価値観は変わってないね。

ウチのバアさんとカブるところもあって、興味深く観たけどさ。

左幸子の身体と、小川真由美の演技が妖艶過ぎて引くね(笑)。

画像1

画像2

画像3

画像4


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。