「西南戦争」
前に、資料館には行ったけど、熊本には激戦地も多いし、都合良く新書を見つけたので。
しかし、文章が古臭いというか、硬くて、あまり面白くはなかったなぁ。と、著者は俺より年下やんけ!
よくある、昔の武道や戦役に道徳的訓戒を見ようとするものの類いだったら、めっちゃつまらないと思ったけど。
西南戦争(西南の役<エキ>ともいう)って、明治10年に、熊本、宮崎、大分、鹿児島で起こった、西郷隆盛を(勝手に)リーダーにした、いわゆるサムライの反乱事件のこと。
文明開花後の明治に起こったサムライ連中の反乱の中では最も大きくて、日本国内では最後の内戦という位置付け。
明治政府が大日本帝國として、西洋のマネをして、刀を持つことを禁じたりしてサムライの階級を廃止しようとしたことに対して、九州のサムライらが、ふざけんな!と立ち上がったわけだ。
西郷サンは、鹿児島で、中央政府のやり方に不満を持ったサムライや県内の若者たちを統率して、教育することを目的に私学学校を運営してて、この学校が中央政府をも揺るがす程の大勢力へと成長していったこともあって、明治政府は、それを抑える目的もあった。
西郷サン自身は、積極的に西洋文化を取り入れていたが、西郷サンの旧サムライとしてのイメージが勝手に一人歩きしたみたいだ。
それで、各地でチョコチョコ、乱が起こって、中央政府による西郷サン暗殺計画も暴露されて、もう我慢ならん!と火蓋を切ったわけだな。
最初は、熊本城の近くで、西郷サンの薩摩軍と中央政府軍が鉢合わせ、先に政府軍が発砲したことで薩摩軍が応戦して、西南戦争スタートに至る。
薩摩軍らは田原坂などで激しい戦いを繰り広げたが、結局、明治政府には敵わず。サムライたちは政府軍の銃弾に倒れるか、次々と切腹して果て、リーダーと持ち上げられた西郷サンも負傷して、付き添いの介錯人に首を落とさせて、戦争終結へと至る。
つまり、地球連邦軍に対するジオン公国による独立戦争みたいなもんだ(笑)。
でも、独立までは考えてなかったそうで、文明開化で近代化を進め、サムライ達を冷遇し、専制政治となっていく中央政府に対し、刀を捨てろとか、軍隊に入れとか、日本の武士の心まで捨てろというのか!と怒りまくってブチ切れて立ち上がったということだな。
西郷サンは宮崎か鹿児島にいて、大規模な武力反乱が起こっても知らなかったことが多かったという。つまり、きっかけは西郷サンでも九州全土に広がった反乱は、ほぼ自然発生的に起こったらしいのだ。
朝鮮、中国と盛んに交流があり、温泉もあって開かれて進歩的だけど、一方で頑固に死を課してでも伝統を重んじるという二律背反な精神を持つ九州人の気質って面白い。
俺にもその血が入ってるかも。