「死者の書」

日本文学に最高の金字塔を樹立したと評される折口先生の「死者の書」。

その辺はよくわからないが、コレは幻想小説だな。

ちっと文体が古くて読みにくいところも多々あったけど、1943年の作品だから致し方なし。

謀反を疑われて処刑され、山に葬られた大津皇子が眠りから覚めて、山で祈りを捧げていた出家した女がそれに気付いて、ごちゃごちゃとある話(笑)。

ごちゃごちゃってのは、死んだ大津皇子が生きてる時の記憶を思い出したり、藤原京で起こった争い事など、当時の様子を描写したり、剃髪した尼が現れて旗を織ったり、時間軸が過去と現在を行ったり来たりで理解するのに困難を要した。

まあ、大津皇子と祈りを捧げる女、姫との恋の物語だね。

折口先生らしい極日本的な幻の恋愛模様で、突然、現れた曼荼羅や阿弥陀像に後光が差した白日夢を見てるようなものだ。←ナンノコッチャ

国文学者・折口先生の想像力が縦横無尽に駆け巡る。

「身毒丸(シントクマル)」は、美少年だけど、親から受け継いだ病(ライ病?)を持ちながら、親に捨てられて、田楽師の一行とともに旅する身毒丸の話だ。

田楽師の師匠との関係がちょっとあやしい。芸能の下層階級ながら、夢のような高貴な世界に身を置くような話だ。

いや〜、幻想文学、ここに極まれりって感じだね。

折口先生はLGBTだったってホントかしらん。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。