【古典邦画】「新源氏物語」

またまた映画を見つけた。8代目・市川雷蔵主演の、1961(昭和36)年のカラー作品「新源氏物語」。監督は森一生。

光源氏の誕生から、彼が自ら須磨へ退去するまでを描く。

100分強と長くはない時間では、光源氏と周りの女性たちとの深みのある色恋沙汰を期待しても無理だった。市川雷蔵の光の君は悪くはないけど。

やっぱり、同じ雷蔵主演でも、溝口健二監督の「新平家物語」とは違うね。

光の君を産んだ寿美花代の桐壺と、同じく寿美花代演じる母と瓜二つの藤壺(一人二役)、若尾文子の葵の上(正妻)、朧月夜の中村珠緒、末摘花の水谷八重子らが魅力的だが、末摘花がそんなにブチャイクでもなく、男を虜にする床上手として描かれているのには驚いた。朧月夜も同様。

毎度の女性遍歴は羨ましいけど、好きになる女性に、どうしても母の面影を追い求めてしまう気持ちはわからないこともない。

この時代は、男女の“まぐあい”が庶民の最大の関心ごとだったのかもしれないね。

「私が清らかな生活をするには、まだ若過ぎるのだよ。長いことではない。私を憎んでも良いから嫌わないでおくれ。憎まれたのは取り返されるけれども、嫌われたのは取り返せないからね」



脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。