【映画】「オリンピア」

忘れた頃に観てたヒトラー関連DVD10枚組だけど、やっと全部鑑賞。

最後は、1936年のベルリン・オリンピックの記録映像「オリンピア(Olympia)」(1938)。日本では「民族の祭典(第一部)」と「美の祭典(第二部)」だ。監督・製作は、ヒトラーお気に入りのレニ・リーフェンシュタール。

ナチス賛美のプロパガンダ映画と非難されるが、「意志の勝利」ほどではなく、ドイツの選手が負けるところもいっぱい出てくるし、ナチが嫌った有色人種が活躍するシーンもある。レニは、撮影を巡って、宣伝相ゲッペルスと何度も揉めたらしい。

何よりも素晴らしいのは、躍動する肉体賛美、普遍的な人間賛美の、レニ流の味付けが全編に施されていてアート的な映像となってる点だ。冒頭から聖火点灯に至るまでの、荘厳な音楽をバックに天から舞い降りたような裸の男女が肉体を誇示しながら舞うシーンなんて目が釘付けになる。太陽と鋼の肉体を味方にしたギリシア文化を讃えた三島先生の意図がよくわかるってなもんだ。

陸上競技を中心に各種目を収録するが、時には、スロー映像なども盛り込みながら躍動する肉体に焦点を当て、それに熱狂する観客と、素で手を叩く総統の喜びの顔を映し出す。

ヤーパン(日本人)の選手も活躍してメダルを獲ってる。このDVDのバージョンでは、「前畑がんばれ、前畑がんばれ」の女子水泳が入ってなかった。

当時の撮影技術で、上手く光と影を使って演出し、競技そのまんまじゃなくいっぱい編集を加えていると思われるが、それだからこそ、レニの表現したかったオリンピックが現れている。そういう意味ではバリバリのプロパガンダ映画かもしれない。

俺的には、ニュールンベルグのナチ党全国大会の記録「意思の勝利」の方が好きだけど。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。