【映画】「モーターサイクル・ダイアリーズ」

「モーターサイクル・ダイアリーズ(The Motorcycle Diaries)」(2004・ウォルター・サレス監督)。

エルネスト・チェ・ゲバラの、若き日の南米旅行記。

ゲバラの人気の理由のひとつがわかったような気がする。単に、後の革命家という政治的側面だけじゃなく、アルゼンチンの医大生だった若きゲバラが、友人の先輩と共に一台のバイク(ノートン500)にまたがり、一万二千キロもの南米大陸横断旅行を敢行するという、男が持つ冒険心とヒロイズムを体現するような行動力を実際に感じさせるからだ。

さらに、その間に南米社会の貧困の現実を知るという、後の革命家になる要素も充分あるわけだ。それは単純にカッコええわな。

綿密な計画を立てて出発するが、最初から離れて住む恋人に会ったり、好みの女性がいればナンパしたり、パーティに参加してキレイな人妻を誘ったり、楽天的なラティーノの血がそうさせるのか、女の子に目がない。向こうの人はしょっちゅうパーティ・ダンスをしてるんだね。

事故に遭ったり、転んだり、川に突っ込んだり、雪山を通ったりするから、途中、ポンコツバイクはくず鉄になって売られて、「モーターサイクル・ダイアリーズ」じゃなくなった。あとは徒歩とヒッチハイクによる旅となってる。

そして、先住民族や最下層の鉱山労働者、孤島に隔離されてるハンセン病患者と出会い、密な時間を過ごすことになる。南米も日本も変わらないのだねぇ、昔のハンセン病患者の扱いは。

後半の、徒歩とヒッチハイクによる旅行は、南米社会の矛盾に気付いて、人間的な成長もあって、欲望のままの破滅的な青春ロードムーヴィーではなくなってくるのが、俺としてはちょっと残念だ。

情熱的で好奇心旺盛だけど善良で真面目な23歳の青年が、社会の矛盾に気付いて、革命家になっていく過程の一部がわかった。

ああ、俺もとりあえずクルマでまた遠出がしたい。旅の目的なんかいらない。旅すること自体が目的なんだ。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。