【邦画】「赤ひげ」

黒澤明監督の、1965年の作品「赤ひげ」。

主演は、お馴染み三船敏郎と加山雄三。

江戸の診療所を舞台とした人情物語だが、この題材で休憩も入る3時間は長えだろ。

原作は山本周五郎の小説だけど、精力剤の「あかひげ薬局」は、ここから名前を取ったのか?

幕府が開いた診療所に集まる下層階級の貧しい患者と、そこで治療を施す“赤ひげ”と呼ばれる個性的な医者(三船敏郎)、そこに送られてきた長崎帰りの若い医師見習い(加山雄三)との交流の物語だ。

蘭学を習った医師見習いは、最初は赤ひげのやり方に反発してるが、患者と接する中で成長、赤ひげを師と仰ぎ、出世の道を蹴って、診療所に残る決意をするまで。

ありがちな展開だけど、悪者をくじき、弱き者を助ける赤ひげの勧善懲悪な行動はスッキリして面白い。ヤクザ者の腕や脚をボキボキ折って、後で治療に来いと言い放つ赤ひげはカッコイイ。また、その行動に心酔してしまう若き医師見習いの情熱もよくわかる。

クロサワさんの映画って、ある意味、勧善懲悪のわかりやすいストーリーなんだな。そこに演者の叫ぶような過剰な演技が入るのだ。←ちょっとイタイ。そして、演者は顔も服もたいてい汚れている。

もしくは、金をかけた大袈裟な舞台を用意している。コレがダイナミズムってもんだろうか。ちょっと結末が整合性に欠けるような気がするが。

愛情のある人情物語ばかりではない。離れに閉じ込められた美しい娘は気狂いで油断した医師見習いも殺そうとするし、手術の場面では、裸で、手脚を縛った泣き叫ぶ女の腹を割くし(医師見習いは開脚の真ん中から顔を出す)、売春宿から救い出した12歳の娘は医師見習いの許嫁に激しく嫉妬するなど心を病んでるし、ココにクロサワさんの性的な嗜虐嗜好を見たけどどうだろうか。



脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。