気合いが入っている日はバレやすい。
化粧が好きだ。「パリコレか」と言われそうな色使いも、人畜無害そうなナチュラルメイクも、どちらも。
キラキラしたカラフルなアイカラー、ふんわりとした色味のチーク、パキッと発色するリップ。どれもこれもが私を全力でわくわくさせる。
それは、クーピー色鉛筆60色セットの缶を初めて開けたときの、12色の水彩絵の具で際限なく色が作れると知った時のそれと、多分同じだ。
ピンクの化粧下地を塗って、黄味の強いくすんだ肌を明るくする。
アイラインとマスカラで、アイシャドウの色味と瞳を引き立てる。
鼻筋にハイライトをスッとひと撫でしてぺたんこの鼻を少し高く見せる。
チークとシャドウ、ハイライトで、血色と立体感を出す。
手間をかけても、それを悟られないように自然に仕上げるのは結構むつかしい。むつかしいから、楽しい。
一つひとつの原理を覚えたのは、デパートのコスメカウンターでも、美容雑誌でもない。
小学校の時に通っていたお絵描き教室のスケッチブックや、大学受験のために通った画塾のデッサンだった。
塗るのが面倒な朝も、落とすのが面倒な夜もある。
けれども。絵を描くチャンスが毎朝あるのは、私にとってなかなか幸せなことだなと思う。
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