『シネマハウスへようこそ』サブタイトル解題〜第5章〜
第五章のサブタイトルには、今度こそ《言わずと知れた》スタジオジブリの名作『耳をすませば』を使わせていただきました。
『シネマハウスへようこそ』の舞台となっている1995年の夏休み映画には、例年に比べて大作映画が少なく、秀明たちの好みそうな作品ということも重視して、このアニメ映画を夏休み前の転機となる作品として選びました。
吉野亜莉寿に、『耳をすませば』の登場人物である月島雫と天沢聖司の行動に感情移入させることが出来たこともあり、この作品を作中に取り入れることが出来て良かったな、と思っています。
『シネマハウスへようこそ』の作中では、あまり大きく取り上げることの出来なかった原作版『耳をすませば』も作者のお気に入り作品なのですが・・・。
恋愛マンガ全盛期の少女マンガ誌『りぼん』において、「恋愛以外の大切な価値観」を描こうとした意欲作であることが、その大きな理由の1つです。
結果として、そのメッセージは、当時の読者に受け入れられなかったのか、連載は短期で打ち切りになった様ですが、原作『耳をすませば』のテーマに惹かれた宮崎駿監督が映像化を熱望して、映画化されたという顛末は、作者の心の支えとなるエピソードでもあります(^_^;)
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