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Adobe Analytics 計算指標の使い所

Adobe Analyticsを使うメリットの1つ、計算指標についてです。
計算指標とは、「特定の指標を四則演算や関数を用いて計算して導き出された指標」のこと。単純に計算するだけではなく、セグメントを適用した指標に対して計算までできてしまえるのが特に便利なポイントです。ただし、多くの方は「セグメントを適用?」という疑問から、使っていないのではないでしょうか。

計算よく使われる例を挙げれば、以下のような指標があります。

○"訪問者"あたり"訪問回数"
(訪問回数指標を実訪問者指標で割り算した数)

○"訪問"あたり"滞在時間"
(滞在時間指標を訪問回数で割り算した数)

使い方は公式ヘルプが豊富にあるので、併せて参照してみてください。

○使い所〜初級編:excelでやっている計算をAdobe Analytics上で完結する
わかりやすいところだと、「訪問者一人あたり、何回コンバージョンしているのか?(CVR)」「訪問あたりの売上は?(RPV)」といった指標から使ってみることをおすすめします。初心者の方でよくありがちなのが、実訪問者の指標と、コンバージョン数をそれぞれexcelに転記して関数で割合を求めていることがよくあります。それをやるなら、割合までAdobe Analyticsで計算してからダウンロードできるほうが便利ですよね。

○使い所〜中級編:セグメントを適用して指標を作成し、クリックアクションを計測する
よくある使いみちは、「サイト内にある特定のPDFファイルのダウンロード数」を計算指標で再現する、という技です。一見すると、「カスタムイベント指標で設定しなければ、計測できないじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、まさにここは計算指標の為せる技です。
作る手順としてのサンプルを1つ挙げてみます。

(1)"ダウンロードリンク"ディメンションからなにかしら特定の値を持つヒットセグメントを作成する

(2)計算指標ビルダーで、"ダウンロードリンクインスタンス"に対して、(1)のセグメントを適用し、指標名をつけて保存する

公式ヘルプでは「セグメント化指標」という名称で解説ページがありますので、併せて参照してみてください。

○指標の意味を正しく理解できていない故につまずきやすい

計算関数が難しいそう〜という声もある一方で、一番マズイのは指標の意味を正しく理解できておらず、間違った指標で割合を求めてしまうケースで、実は多くの計算指標で散見されます。

具体的には、「実訪問者あたり」なのか「訪問あたり」なのか、という点。「人あたり」なのか、「特定のアクションあたり」なのか、で大きく解釈の意図は異なりますので、求めたい検証事項が何であるのかを今一度考えて正しく計算指標として使いましょう。

○おさえておきたい基本指標の意味
最後に、Adobe Analyticsでおさえておきたい基本指標について厳選しておきます。これさえ覚えれば初心者卒業です。この基本指標を組み合わせるだけでも、俯瞰分析として充分に機能すると思います。

ページビュー数(Page View)
訪問数(訪問回数)(Visit)
訪問者数(Unique Visitor)
バウンス(Bounce)
入口(Entries)
インスタンス(Instance)
発生件数(Occurence)

○ポイント
・計算指標はexcelでいちいち計算して出すような作業を削減できる
・計算式だけでなくセグメントも組み込めるので、指標比較を高度化できる
・基本指標の意味を正しく理解することが上達のポイント

基本をおさえたら独自の計算式やセグメントを用いて、エクセレントなKPIダッシュボード作りにぜひ挑戦してみてください。