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【新型コロナ】ライブ業界の中からの景色

■ライブ業界の中の一人が今思う事
個人的には今回の件はある意味チャンスでは?と思っています。
話題になっているリモートワークを始め、一人ひとりの働き方や仕事に対する姿勢を見直す良い機会になる事は間違いないです。(良くも悪くも業界のブラック体質の改善にも繋がるのでは?と、期待してます...笑)
僕の勤めている会社では、昨今の事情でイベントのキャンセルが相次いでおり、ドタバタの最中でまだ考えが追いついていないのですが、この状況を悲観せず、今だからこそ出来ることを考え、実行する事で新しい可能性が見える気がしてます。盛り上がりを見せている配信コンテンツもその一つかと。

■ライブ・エンタメ業界の現状(2/27時点)
2月26日に政府から大規模イベントの中止・規模縮小要請が発令。

ギリギリのところで踏みとどまっていたライブ業界もこの要請を受け、なし崩しの形で中止・延期の発表が相次いでおります。(詳しくは後述しますが、延期より中止の公演が圧倒的に多いです)

ちょうど春ツアーのスタート時期とも重なり、ライブ・エンタメ業界の損害は相当の額になることが予想されます。(興行保険も本件は対象にならないケースがほとんどの様です)

■なぜ公演延期ではなく中止が多いのか?
結論から言うと、「日程が空いていない」単純にこれです。
昨今、音楽業界の収益構造が変化していく中でライブエンタメ事業が収益の大きな柱になっています。その関係もあり、集客の見込める土日祝は非常に人気日程となっており、"押さえにくい → 仕方なく平日に"、特に人気のライブハウス(Zeppや赤坂BLITZ等)ではこの流れが完全に出来上がっており、慢性的な会場不足に繋がっています。
また、500CAP以上のライブハウスや多目的ホールではお得意様やプロモーター向けの優先予約のシステムがあり、翌年のスケジュールもかなりの期間が押さえられていることが多いです。
アリーナやドーム規模になると、動くチームも大きくなる事から、2・3年先までスケジュールを押さえる事もざらです。特にドームやスタジアムは野球やサッカーなど、スポーツでの使用が優先されるため、特に振替が困難になっています。

■今後ライブ・エンタメ業界はどうなるの?
個人的には既存の興行形式とセットでライブ配信コンテンツの伸びもありつつ、事態の終息に合わせて、今まで以上にライブという体験コンテンツ全体が伸びていく事になると思います。
今回のコロナの影響で中止または延期なった公演でもライブ配信にシフトしているケースもあります。

配信にシフトする事で、さらにコストがかかるにも関わらずです。
メリットとしては、

・参加予定者への代替え案 → 今回の件に関していえば
・一応、開催の程は整えられる → 協賛との絡みもあるので、、、
・割り切ってプロモーションと捉えてる
・今後増えるであろうライブ配信コンテンツへの布石
・etc...

今後、5Gの整備も進みリアルとバーチャルの境目が無くなって行きます。
また、今回の件で"場所を問わず"、"会場の規模にも囚われない"、ライブ配信を多くの方が体験する事になるわけです。今回の件を皮切りに、体験コンテンツの一つとしてライブ配信が今以上に大きくなっていくと思われます。

■今後、イベント会場として出来るコト、やりたいコト
今後伸びていくであろう、配信コンテンツに対して、
フラッシュアイディアレベルですが、会場としては、

・ライブ配信用パッケージ価格の設定
・インターネット環境の整備
・中継業者との協業
・etc...
・キャンセルで空いた日程で配信イベントの企画

ライブではありませんが、オンラインでのグローバル会議案件なども増加傾向にありますので、ZOOMなどと組んでパッケージ化するのも一つの手かもしれません。

■最後に
少し考えただけでも、今の状況でもやれることがいくつも浮かんできます。
悲観して、立ち止まるのではなく、今の状況と向き合って出来ることを考えて動いていければな、と。
きっと、会場側の人間とは話にならないレベルで、制作・プロモーターの方々は対応に追われているかと思います。
そんな忙しい最中ではありますが、無理はせず、、、と思う限りです。
良くも悪くも僕の人生を変えた"ライブ"と言う体験コンテンツが早く復活できる様、一刻も早い事態の終息を願っております。

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