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なぜNFTはイーサリアムなのか

2021年にブロックチェーン市場は大きく変化しました。イーサリアム一強時代からマルチチェーン時代への変化です。

Fantom、Terra、Binance Smart Chainなどのブロックチェーンの中には、DeFi市場でシェアを獲得することができました。しかし、NFTに関してはイーサリアムの一強状態が続いています。

DeFiとNFTでなぜこのような違いが生じているのでしょうか。今回は、なぜNFTはイーサリアムなのかという話をしていきたいと思います。

NFTがイーサリアムであり続ける理由

そもそも、イーサリアムとPolygonやArbitrumなどの主要スケーリングソリューションにおいては、DeFi市場全体の約60%のTVL(Total Value Locked)を占めています。

他のブロックチェーンは、他の全てで残りの40%のシェアを獲得しています。マルチチェーン時代と言いますが、個人的には本当にマルチチェーン時代なのかさえ怪しいと思います(他のブロックチェーンが「VCから資金を集めている」ことは事実です)。

この状態をマルチチェーン時代であるとした上で、一方のNFTでは完全にイーサリアム一強状態が続いています。1confirmationによる2021 NFT Year in Reviewレポートによると、昨年末までにイーサリアムとそのスケーリングソリューションで、依然としてNFT取引量の90%以上を占めていることが明らかとなりました。

2021年のNFT取引量シェア

もちろん、DeFiのようにNFTもマルチチェーン化される可能性はゼロではありません。ここからはより具体的に、現在と今後のNFTに関して、なぜNFTがイーサリアムなのかについて触れていきます。

インフラとリソース

イーサリアムは、スマートコントラクトプラットフォームの先駆者であり、長年にわたって膨大なインフラとツールの進歩を遂げてきました。この点で、NFTユーザーは恩恵を受けたり活用したりできるアプリやリソースが揃っています。これはDeFiでも同じことです。

これは、ブロックチェーンの最大の特徴であるコンポーザビリティの最も顕著に示しています。

また、ETHは暗号資産市場の基軸通貨と言っても過言ではないレベルで普及しているため、NFT活動のほとんどがETH建てであることは不思議ではないでしょう。現に、日本では他のブロックチェーンのネイティブトークン(SOL、AVAX、LUNAなど)は流注していません。

コミュニティと人材

イーサリアムには、クリプトの世界で最大かつ最も活発な開発者とクリエイターのコミュニティがあります。したがって、最先端のL2リサーチであれ、次世代のNFT社会実装であれ、イーサリアムは現在、クリプトエコノミクスの決定的かつ有機的な資本となっているのです。

イーサリアムエコシステムで活動する世界中の才能をコピーしたり、マッチングさせたりするのは並大抵のことではありません。そして、再現することは不可能だと言えるでしょう。

流動性

優れたインフラと活発なコミュニティがもたらすものは流動性です。

NFTそのものの性質として、異なるチェーン上で発行されたNFTはブリッジすることができません。例えば、イーサリアム上で発行されたNFTをSolana上にブリッジする場合、state transferの無い状態で(例えば一般的なブリッジの仕組みであるmint & burnをする)ブリッジしたとして、果たしてそのNFTは同じNFTだと言えるのでしょうか。

ETHのようなFungible Tokenであれば、mint & burnしても代替可能であるため同じトークンだと言えることはできます。しかし、NFTは代替不可能だからこそ価値があるため、mint & burnすると別のNFTとして捉える必要があります。

このように、NFTのブリッジが難しい状況を踏まえると、多くの新たなNFTプロジェクトがイーサリアム上で開発されるというネットワーク効果の権化のような状況になります。

流動性が高いということは、NFTユーザーとNFTプロジェクトの双方にとって、最も大きなチャンスを提供することにつながります。

実績とセキュリティ

イーサリアムの最初のNFTプロジェクトは2015年に始まりました。言い換えれば、イーサリアムのNFTシーンは最も長い歴史を持っています。

イーサリアムは歴史を通じてほとんど完璧なアップタイムを維持してきたため、NFTのセキュリティを強固にできる実績を持っています。

クオリティ

ほとんどの人気NFTプロジェクトは、ERC-721を使って発行されます(またはERC-1155)。ERC-721には、安全性と信頼性が蓄積されてきました。そのため、ERC-721を使わずに発行されるNFTは、相対的に評価が下がる傾向にあります。

将来性

イーサリアムの実績と安全性、そして将来性はNFTにも大きな影響を与えます。もちろんイーサリアムが失敗に終わる可能性もありますが、他のブロックチェーンよりも成功の可能性は高いと言えるでしょう。

NFTは、どのブロックチェーン上で発行するかという選択を迫られますが、これはつまりそのチェーンと運命共同体になるということです。

参照ソース


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