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”近代的指導者”ガブリエル・エインセ

 ドイツ人の父とイタリア人の母の間に生まれたアルゼンチン人ガブリエル・エインセ(Gabriel Heinze)という名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

現役時代はRマドリー、PSG、マンチェスターU、ASローマとヨーロッパ主要クラブでプレーした実績を持ち、多くのタイトルも経験している選手です。また同時にアレックス・ファーガソンを始め、マルセロ・ビエルサ、ジェラルド・マルティーノなど名将と呼ばれる指導者に出会い、これまでのキャリアを過ごしてきました。

 そんなエインセが5年前から母国アルゼンチンにて指導者のキャリアを歩み始めています。彼のフットボールは、1-3-5-2のシステムでボールを支配するポジショナルなスタイルを好みます。組織的にオーガナイズされたチームを作り上げ、ライン間への侵入、ポジションチェンジや修正を絶え間なく繰り返すフットボールです。常に対戦相手の直近8試合を分析する彼は戦術家でもあり、記者会見はフットボールの側面だけでなく、哲学的なところまで話が及んでいます。きっとこれまで出会ってきた優秀な監督たちが影響を与えているのでしょう。

 彼が指揮を執るのはアルゼンチン1部リーグに所属するVélezというクラブです。 動画はそんなVélezがホームに強豪Boca Juniorsを迎えた一戦です。世界を渡り歩き、様々なフットボールを経験してきた彼が率いるVélezはどこかビエルサのチームを彷彿とさせます。4バックと3バックの2つのことなるシステムを使い分けながら、スペースを操るフットボールを表現します。仲間のためにスペースを生み出し、スペースを空け、スペースを遣う。そしてチームの舵を取るのは、レアル・マドリードにも所属した経験を持つGagoです。彼のライン間を射抜くパスは、後半10人になり守備的を固めたBocaの選手たちをも苦しめるものでした。
動画はそんな試合をまとめたものです。白いユニフォームがホームのVélesです。

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昨季のコパリベルタドーレス杯出場権を置き土産に、率いていたベレスを辞任したエインセ監督。いつかヨーロッパの舞台でチームを率いる姿を見れるのが今から楽しみです。



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