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20-21 ♯3 チームを率いるということ

写真はサッカー現場でよく目にする光景です。
船はチームです。同じ船に乗る選手たちですが、一部から水が入り込んでいます。数名の選手は必死に水を抜いていますが、数名の選手は水のない反対側で休んでいます。

後者の選手は、「ラッキーだ。穴が空いてるのは反対側だったぜ」、と。

しかし、同じ船に乗っているので、沈没する時は全員です。

きっと、冷静に考えれば誰もが理解できる状況と言えるでしょう。でも、サッカー現場でよく目の当たりにするのも事実です。

昨シーズン僕が率いていたグループも、どことなくこれに近いものがありました。これまで育成リーグという昇降格のないプレッシャーの少ないリーグを卒業したばかりの15歳の選手たちです。
ある選手は、結果至上主義で勝たなければ、ネガティブな言動や発言を始めます。また、ある選手はサッカーをプレーすることが好きで、うまくいかないと他人への文句が始まります。
思春期真っ只中の選手だからこそ、理解に時間がかかります。それも踏まえた上で彼らに寄り添える必要性を感じました。本当に彼らが与えてくれる課題や学ぶは計り知れません。

きっと船に故障がなく、進んでいるときは目に見えないものなのでしょう。または、気付いてないだけだったかもしれません。感じようとしていなかっただけなのかもしれません。
しかし、気付いた時にはもう手の施しようがない状況だったということもありえることです。
そんな船の中で起こっていることを、マネジメントできる能力は責任者として避けては通れないのでしょう。


さらに船に乗るメンバーは、毎年変わります。全く同じメンバーで航海に出ることはほぼないと言えます。だからこそ、このメンバーと信頼関係を築かなければならない、でなければ沈んでしまいます。もし、沈没するとしてもそれを受け止めきれるまで、出せるものを出しきった状態でいたい。

この画像を見ていて、そう感じました。


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