作品が届くその日まで。作品作りを続ける人へ
4年越しに、作品をコレクションしてくださった方が。
(長いです笑)
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今回の京王百貨店の展示では、
素晴らしい再会をしました!
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私は4年前にふと思い立ち3x5mのキャンバスに絵を描いた。
どこまで大きい作品を作れるか、自分との戦いをしてみたかったのだと思う。
その時に出会った老紳士がいる。
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4年前シェアハウスのみんなに協力してもらって、
3mのキャンバスを1から設計してもらって、近くの公園で朝
朝4時から「描きたい私のためだけのライブペイント」。
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もう本当にみんなの協力があって実現した。
大きい作品など描いたことがないのに、描きたくなってしまったので、トラックを借り、木材を買い出し、木材を切り、組み合わせて(全部やってもらう。)3x5mの作品を作るためのパネルを制作する。
外出制限があったので、できるだけ人に見つからないようにと。
人に見せるパフォーミングアートなのに、
早朝の公園で見つからないようにとは何事か笑
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見つかったら
怒られたら
どれでも描きたかった。
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ピアニストの近谷さんとのコラボ。
コロナ期間中で物理的には会ったことがなかったけど、
意気投合して、そのままオンラインでライブペイントをすることに。
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朝の日はとても穏やかで、1.5時間のライブペイントの時間はあっという間に終わった。ずっとカメラを回してくれていたみんなにはとっても感謝、言葉にならない感動だった。カラスも泣いていて、その空間だけが何かから切り取られているようだった。
https://www.youtube.com/watch?v=Zj8ZOznP7tM&t=2596s
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何人かの人が場に吸い寄せられ、
また去っていった。
その中にひとりの老紳士がいた。
朝の散歩中に立ち寄ってくれ、
作品が終わるまでずーっと
長いこと見ていてくれた。
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向こうから話しかけてきてくれ、
ご自身も絵が好きなこと、
作品について、
海外に行きなさい、
などなどたくさんのお話をしていただいた。
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まだ、絵を描き始めて2ヶ月くらいだったと思う。
それでもまるで一人の画家と対峙するように丁寧にお話をしてくださった。
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短い時間にあまりにも深くお話しいただいたのに、
なぜか連絡先も交換せずに、その場はお別れをした。
今から考えれば、なぜ交換しなかったのかと不思議に思う。
でも、あの場はとてつもなく完成されていて再会が来ないならばまたそれもいいと思ったのかもしれない。
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その後で、私がたまたまフラッと遊びに行った近所のカフェで個展の機会をもらった。コロナ禍で個展ができなくなって、それを心配してくれた店主さんがご厚意でギャラリースペースとしてカフェを貸してくれたのだ。それが人生初の個展だった。小さなカフェに春っぽい小さな作品を3作品。告知はしたければども緊急事態宣言中だったので近所の人しか見られなかったと思う。でも、嬉しかった。
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最終日、搬出にお伺いするととある連絡先を渡された。
連絡先はなんと、その老紳士だった。
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老紳士はそのカフェの行きつけで昔からの知り合い。
画風を見て「この子もしかして公園で早朝に絵を描いてた?」
と店主にお話ししてくれたらしく、連絡先も受け取ってくれたらしい。
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ライブペイントをした日からは1ヶ月くらいが経っていて、
そこから連絡を取り合うようになり、あの3mの作品を購入したいと言ってくれた。そんなことがあるのかと驚いた。
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しかし、当時は大型作品の保存方法も知らず、エレベータなしの4階だったこともあり、移動と処理が大変で作品は捨ててしまっていた。
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そうこうしているうちにフランスでの展示とパフォーマンスが決まり。フランスへ制作とパフォーマンスへ。
フランス帰りに企画開催した、目黒区美術館での個展にも来てくださった。しかし、ご希望の作品はすでに売約済みになっており、またもや購入していただけず。
そこからも何度か新年の挨拶は続く。
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そして数年が過ぎ、今回の個展で再会した。
でも、私としたことが今回の個展はご案内できていなかったのである。(しかも、老紳士はSNSをやっておられない。)
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だから、急に百貨店に老紳士が現れた時は驚いた。
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いつも他の方に私のことを話してくれたらしい。
その方が私の展示をご存知で、
会期最終日に会いに来てくださったのだ。
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そして、やっと1点作品を購入してくださった。
4年越しである。お互いに「やっと」という気持ちでいっぱいだった
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帰宅後、DMをいただいた。
「相変わらずのエネルギッシュなともさんには圧倒されました。
(中略)
生活の地盤が出来たら是非NYかパリに2〜3年出かけ更なる審美感を深め高めて欲しいです。
(中略)
智子さん是非是非
世界に羽ばたいて下さい。鬼籍に移っても
見ていますよ!
絵有り難うございました。今日は京都にいます。」
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「鬼籍に移っても」
なんて言わないでほしい。
またお届けできるようさらに続けていきたい。
そして、制作を続ける人たち。
このような物語があることも忘れないでほしい。
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