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『読みながら書く』 5

五、東京ジャーミィの思い出

 

東京に住んでいる友人からLINEが来た。「久々に代々木のモスクに行った」という。代々木のモスクというのは東京の代々木上原にある「東京ジャーミィ」というイスラム教の寺院のことである。

私は故あって東京ジャーミィに何度も行ったことがある。件の友人と一緒に行った事もある。

入口には重い立派な扉がある。中へ入る前からアザーンの声が聞こえる(アザーンとは、イスラム教の礼拝時間を知らせる呼びかけのこと。スピーカーから流すので音が大きい)。トマトを使った豆料理や、チャイの香りがしてくる。大理石の床をサンダルで歩くと、独特な音がする。古い本棚に古いクルアーンが何冊も置いてある。

特段理由もないのに何年も行っていない。久々に行ってみたいものだ。

友人はLINEに、『紫文要領』(本居宣長による『源氏物語』の研究書)の現代語訳を「note」にアップしたから読んでくれ、と書いている。が、なぜか今は読む気がしない。当然のことながら、それが面白くなさそうだから読みたくないのではない。面白くなさそうなのであれば逆に今すぐにでも読む。面白そうだからこそ、今は何となく読みたくないのである。

しかしまあ、「追究」はやめておこう。解決は「あちらからやって来る」くらいに思っておこう。

(2023年6月14日) 

 

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