特許出願した技術をパクられ発表される(7)

今まで一度も行ったことのないMaker Faire Tokyoに行くことになった。
周囲の人々も随分出展しているし、それを見に行くのも一つの目的だが、本当にパクった製作物が出展されていないか、確認しに行くことがメインだ。

どっちにしても、この問題はどこかで決着をつけねばならない。
Maker Faire Tokyoの終わった後に面談をするなりすればいいと考えていた。


しかし、とんでもない横槍が入ることになる。


DMM.make AKIBAの会員で自称「大物」の人間がいきなり間に入ってきたのだ。事情も細かく分からないのに、
「仲直りしなよ」
というノリで、予告無しで場をセッティングしてきたのだ。

仲裁に入るなら、双方の意見を予め聞いた上で動くべきだろう。

結果として、何も物事は好転せず、問題を悪化させた。

世の中には、関係ない問題に首を突っ込み、引っ掻き回す人がいることを当時の自分は忘れていたように思う。

このことについて、言いたいことはたくさんあるが、話の本筋から外れるのでやめよう。


Maker Faire Tokyo当日。東京ビッグサイトに行き、パクリ製作物は出展されていないことが確認出来た。

ひとまずホッとした。


開業してから20年、「実業家」「起業家」のコミュニティには属さずに生きてきた。
取引先の経営者とは接するものの、社長の集まりみたいなところには無縁。

起業家、実業家というのは、自己主張の強い人が多い。逆に自分は
「なんで自己主張しないんですか?」
と言われたことがある程度。

他人に引っ掻き回される事態を想定していなかった。


書いていて初めて認識したことがある。
当時の自分は業務経験、社会経験は豊富という自負があった。しかし、ピンポイントで経験が不足していた部分に気づいていなかった。
「ダメ経営者・実業家・起業家」
と接する機会が圧倒的に少なかった。

起業後10年の生存率は10%に満たないとされる。そのデータは知っていたけれど、身近で起業してそんな短期間に会社を畳んだ話というのは、そんなに多くない。
どっちかというと先代から事業を継承したけれど、金を使い過ぎて潰しちゃったみたいな話の方が多かった。

しかし、起業する人々が集う場所にいると、
「10年後には会社を潰している人」
にどっさり出会うことになるのである。

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