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心不全療養指導士への道(CEからCEへ)

なんで受験しようと思ったか? 

CEの業務では体外循環、心カテ、植込みデバイス、人工心臓といった心臓疾患に対する関連する業務を行っていることから、"心不全"に関りを持っている気分であった(関りを持っている事は確か)。しかし、生命維持管理装置を扱う職種であることから、出番は急性期からその先であることがほんどであり、その前、その後は思っているほど関りが無く、患者さんに提供される"トータルの心不全管理"におけるCEの存在は、ごく一部であると感じました。と共に、知識もごく一部であることを今さらながら感じました。そんな時、私たちが関わる領域の中でもBigな学会である日循(日本循環器学会)が、認定を作り、その受験対象に"臨床工学技士"があることを発見し、これは!!受けるしかない!!と思ったのが動機です。

個人的に思う"学会認定の意義"  

認定を取得しても「給料が上がらない」、「評価されない」といった側面は現実問題としてあります。しかし、私たちの業務が診療報酬に反映される未来があるとしたら、関連学会から背中を押されてこそ、はじめて実現の可能性が発生するのではないでしょうか?私個人は、出費が多くなるのは否めませんが、まずは現役世代が認定を取得し、関連学会で発表していくなど地道なやり方でしか山は動かないと思っています。                          

目指せ"心不全療養指導士"

まずは、日循が定義している意義です。
超高齢社会を迎えて心不全患者が急増している現状を踏まえ、心不全の発症・重症化予防のための療養指導に従事する医療専門職に必要な基本的知識および技能など資質の向上を図ることを目的として創設されました。病院に限らず在宅をはじめとした地域など様々な場面で幅広く活動し、心不全におけるチーム医療を展開していくことで、心不全による増悪・再入院予防、そして生活の質(QOL)の改善を図ることを目指して、多くの専門職が取得できる資格となっています。"受験要項学会(ホームページより)看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、公認心理師、臨床工学技士、⻭科衛生士、社会福祉士の国家資格を有すること。*それ以外の職種で受験を希望する場合は、学会専門医の推薦を受け、委員会が承認した者に受験資格を与える。日本循環器学会会員(正会員・準会員)であり、年会費を納めていること(会員年数は問いません。試験を受ける年度の4月1日以降の入会で問題ありません。)現在、心不全療養指導に従事していること受験者用eラーニング講習を受講し、修了証を取得していること症例報告書5例を不備なく記載し提出していること申請書類を不備なく記載・提出し、受験料を納めていること。

おそらく"気になっている事について"

①学会員にならないといけいないの?                       これは仕方ない、入会しなければなりません。私の思う、関連学会からの職種の見られ方ですが、おそらく学会員の少ない職種には求められることも少なくなると思います。タスクシフトの点でも、学会員、認定取得数が少ない職種にシフトする(シフトしてもらいたい)事自体、現実的に厳しいのではないかと思います。したがって、出費はかさみますが業務の関連学会には入会する事がCEとしても将来のためには大切な事と感じます。 

心不全療養指導に従事している事という文面、症例報告

ここでは、現実的な事を自分の実際を述べます。                                 全くの関りが無い、関りが無い症例を嘘になるのでは?とも考えましたが、例えば、心カテで検査・治療についた、SAS外来の経験がある、体外循環業務を行っている、透析業務についているなどの経験があれば潜在的に心不全の検査・治療に関りを持っていると思いす。                      ・相談しやすい医師に、心不全療養指導士を受験したい旨を言ってみる。  
・その中で、以下の①から⑩の項目を持って、「こういう症例ありますー?」、症例の報告が必要なんですよ。と打診する。                   

①ステージA・B 心不全発症予防のための療養指導 
「心不全のリスクとその予防のための療養指導が記載されていること」            ②ステージC 初発心不全患者への療養指導 
「心不全の病態や知識、病みの軌跡などの初期教育が具体的に記載されていること」         
③ステージC 心不全を繰り返す患者への療養指導 
「これまでの病歴や療養行動を踏まえ、新たな改善策、療養指導を示していること」      
④ステージD 難治性心不全患者に対する療養指導 
「病状の進行に対するアセスメントと患者の病状理解を促す介入、増悪時の早期対処などが記載されていること」                           ⑤ステージD 人生最終段階にある心不全患者への療養指導 
「病状緩和、ACPについて記載があること」                    ⑥高齢心不全患者への療養指導 
「高齢者の特徴を踏まえた療養指導の工夫が示されていること」                         ⑦合併症を有する心不全患者への療養指導 
「合併症と心不全管理の関連性を示していること」                         ⑧心臓手術を受けた患者に対する療養指導 
「術式、心臓手術後の経過、心不全発症のリスクなどを踏まえた療養指導の記載があること」      
⑨多職種連携、地域連携の強化が必要な心不全患者への療養指導 
「どの職種、地域と連携したのか、具体的な連携内容を記載していること」    ⑩その他 自由なテーマも可とする 
「テーマと記載内容が一致していること」 
5症例のピックアップは、医師、看護師、栄養士、PT、エコー所見、採血結果、カンファレンスの要約などがカルテから見直せる症例が良いです。

症例報告書の作成 

提出用フォーマットがあるので空欄にならないように記載します(この方法は、またの機会でまとめたいと思います)。自分で症例をまとめてみると、まさに介入のプロセス、その要因と改善した問題、未解決の問題などが理解できます(様々な職種の介入も)。私たちCEはカルテ記載することに慣れていないので、心不全治療と管理を横断的に調べることで、これから関りも持つ検査・治療のタイミングの患者背景を把握するプロセス、カルテの見方が変わりました。そうすると、「なぜ、この検査を行うに至ったのか?」「こういう介入を経て、今回の治療に至った」などが分かり易くなりました。

最後に 

日循の認定だけではないですが、CEの存在のひとつの可能性として、取り組んでみませんか?

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