カラオケ喫茶とカラオケボックスの違い

#コロナ #カラオケ #クラスター #飛沫 #エアロゾル

 最近のコロナ感染の拡大に対して、深く憂いています。
 もともとオーケストラ活動をしておりますので、その再開、特に合唱を含めた曲の再開に向けてどのような対策が有効なのかを模索しており、先日から、佐渡裕さんプロデュースのオペラガラコンサートでのコロナ対策アドバイザーも依頼されています。

昨日も小樽でのカラオケ喫茶がらみのクラスター事例が報道されておりました。一方で、カラオケボックスでのクラスター発生は報道されていないと思って、問い合わせてみたら、業界の事務局の方からお電話をいただき、やはり発生事例はないようです。この差は実は感染防御に非常に重要な意味を持っているように思えます!
 最近、合唱公演などにあたって舞台監督の方などとお話をさせていただく機会があり、ホールや映画館など「興行場」に対しては、要求される換気設備の能力が極めて厳しいことを知りました。カラオケボックスはそこまでではないものの、窓のないビル居室に対する建築基準法の縛りは20m3/h以上と結構きつくて、一般の有窓居室(普通のアパートなど)の40倍程度の換気が求められています。事務局のお話では、それに加えて、喫煙者対策のために多くのカラオケボックスが30m3/h以上というかなり強力な換気システムを備えているそうです。それに比して、カラオケ喫茶はもともと有窓の建物として認可を得ている施設を再利用している可能性が高いので、換気設備が不十分な上に、さらに近隣の住宅への遮音のために密室化が起きていたのではないでしょうか?つまりエアロゾルがずっと滞留していた可能性です。インフルなら30分で半減しますが、コロナは3時間で半減なので、感染者が歌っている間蓄積が続くことになります。そのウイルス数は30分歌唱としても数百万個くらいになる可能性があって、その1/100くらいを吸えばおそらく感染するでしょう。
一般には、今回のクラスターは、喫茶の滞在時間がボックスの2―3倍であるとか、高齢者が多いとか報道されていますが、この程度の時間差が問題になるとは思えませんし、年齢についても東京では若者のほうが多いですよね?
 視点を変えて、あれだけ問題視されたパチンコ店でクラスター発生がなかったことも、換気が充分であったことが理由である可能性があるのではないでしょうか?喫煙者の存在と、それを嫌う女性客への配慮などから、建築基準法を超える換気が行われていたのだとすると、今回のカラオケ業態間の差と呼応することになります。この点は今問い合わせ中です。
 このウイルスの感染は、飛沫と接触の両方であることは明らかですが、飛沫の中でも可視化しにくいマイクロ飛沫からできるエアロゾルの伝搬への貢献度は想像をはるかに超えるのではないでしょうか?それは中国の食堂でのクラスター、欧米の合唱での巨大クラスターなどに顕著に表れている気がします。合唱団内で、ハグや握手を感染者一人が100人の合唱団員としているはずはないし、対面で大きな飛沫を飛ばしていることもあり得にくいのに、120人中102人に感染したということは、エアロゾルが一番疑わしい気がします。
 だとすると逆にエアロゾルを拡散させて排除するような換気があれば、伝搬はしにくく、それがパチンコ、カラオケボックスでクラスターが起きなかった原因ということになります。
 じゃあ、ライブハウスは?もしかすると、大阪の2件は地下なので、もともと倉庫用などで申請していると換気機能が不十分だった可能性もありますし、モーターの音を嫌って十分に稼働していなかった可能性もあります。また、建物が古ければ建築基準そのものが甘かった可能性もあります。そのあたりの問題点を洗い出せるといいですね。もちろん、カラオケより叫んでいる時間が長くて、人口密度が高かったということだけかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?