開業1年目の真実 はじめに
2013年9月に行政書士として開業した私は、昨年9月に3年目を迎えました。
起業家や士業向けの開業セミナーの講師を務める中で、たくさんの人から、次のような質問をもらいました。
「最初の仕事はどうやって取りましたか?」
「実績がない1年目に周りにどうアピールしたらいいですか?」
「人との繋がりが大切と聞きますが、どうやって繋がりを作りましたか?」
聞かれる度にハッとするのは、私自身が開業1年目に知りたかったことがそのまま投げかけられているからです。
開業したはいいけど、どうしたらいいのか分からない。
すでに軌道に乗っている先生に聞くと開業して3年間は種まきだと言う。
人との繋がりを大切にしなさいと言う。
種まき=名刺配りだと聞き、言われた通り名刺を3000枚作りセミナーや懇親会で配ったけれど、相手のほとんどが同業者で、いつまでたっても仕事に繋がる気配はありませんでした。
他業種の人とも積極的に話しましたが、どう仕事に繋がるのか分からず、どの懇親会に出ればいいのかもだんだん分からなくなって来ました。
おそらく開業した誰もが、私と同じような気持ちに辿り着くのではないでしょうか。
本当のところ、どうやったら仕事に繋がり、誰と付き合ったら仕事をもらえるのか。それはどれくらいの時間をかけ、どのような方法がいいのか。
今軌道に乗っている人たちはどうやって1年目を乗り越えたのか、その、本当のところを聞きたいのです。
本当のところ。
これはなかなか聞けないのが現実です。
失敗談も、キレイなものしか聞けません。本当は、もっとあるはずなのに。
それを教えてもらえれば、自分は失敗しなくて済むはずなのに。
私は今、開業セミナーを開催する側になり、
「最初に事業の3つの柱を作りましょう」
「戦略をもって事業を作りましょう」
「1人で出来ることは少ないので、パートナーシップを大切にしましょう」
と、具体的な例を出しながら軌道に乗せるための話をしています。
あの時聞きたかった話、「本当のところ」を伝えたいと思いつつ、2時間、3時間のセミナーでは、伝えられることは限られています。
もしかしたら私もあの時私が歯がゆく感じていた話しか出来なくなっているんじゃないか。そんな疑問が湧くこともあります。
正直なところ、真実の1年は簡単にはまとめることが出来ないのです。
1つ1つの出来事、活動、出会った人すべてが、2年目の成果に繋がっています。
開業前に決めた事業の3つの柱も、1年が過ぎる頃には少しずつ変わっていました。
このすべての出来事を背景を含めて伝えられないだろうか。
それなら、全部書いてみたらどうだろう。
こうして書き始めたのが開業1年目の真実です。
私の開業初日からの行動すべてがどう仕事に繋がって行ったのか。そのすべてを時系列に書き出しました。
初めは何にも繋がらなかった活動が、半年を過ぎた頃から少しずつ仕事に繋がっていく流れを読んでいただく中で、開業1年目には何をしたらいいのか、人とはどう繋がっていけばいいのか、ヒントにしてもらえるかもしれません。
これは行政書士の一例に過ぎませんが、すべての起業、開業のヒントになるはずです。
やった方がいいと言われたことにはすべて取り組んできました。
無駄な出費もたくさんしました。
その結果どうなったのかを読んでいただき、何かに役立てて行っていただけると嬉しいです。
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