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飼い猫に噛まれて、病院に行くことになるとは...

吾輩はバブである。
名はミントと言う。

今年8歳になるうちの猫ミントは、猫年齢ではシニアの域に入っているにも関わらず、中身は赤ちゃんのまま。
特に私のことは「お母さん」と認定しているようで、とにかく甘える。

昼は一人で良い子にお留守番しているので、私が帰宅してからのバブの圧がすごい。
まず出迎えて玄関から飛び出す。
玄関で足元にスリスリして、撫でろーと圧をかけ、靴を脱ぐまでに5分はかかる。
やっと家に入ると、鳴きながら私の後をついてくる。
服に毛がつくので早く部屋着に着替えたいけれど、さらに5分、まずは抱っこをして落ち着かせなければならない。

着替えた後は夕飯の支度をしたいけれど、キッチンに直行すると怒る。
しばらくお膝に乗せて、撫でて、お話して、充分にバブで満たしてあげないといけない。

先週の金曜日、仕事が終わる直前に急患が入り、帰りが遅くなった。
早くご飯の支度をしたくて、着替えてキッチンへ直行した。
「ブニャー」と文句を言っていたけれど、ごめんねって言って料理を始めたところで事件は起きた。

バブが満たされず怒り狂ったミントが、私の左足を思い切り噛んだのだ。
歯が刺さって飛び上がるほど痛くて、悲鳴をあげた。
その悲鳴に驚いてミントは逃げてシュンと大人しくなった。

出血していたので、傷口を洗い、キッチンに戻り料理をして、その頃にはミントも落ち着き普段通りバブして過ごした。
夜中に足の痛みで起きて、翌朝見たら傷口が赤く腫れて熱を持っていた。
歩くと痛い。

この痛みは尋常じゃないなと思い皮膚科に行った。
「パスツレラ症」と言われ、抗菌薬を処方された。
初めて聞いた病名だけれど、ネコの口の中にいる菌が私の身体に入り悪さをしているらしい。

バブを満たさなかったばかりに大事になってしまった。
ちょっとだけミントに腹が立って、憎らしく思った。
足も心もズキズキと痛かった。

家に帰ってミントに報告した。
相変わらずバブだった。

人間は赤ちゃんから子供へ、そして大人になり、バブを卒業していく。
でも飼い猫は、特にうちのミントは一生バブで過ごすのだと思う。

それが愛おしいところだけど、時に憎らしく思えることもある。
でも、ミントを家族に迎えると決めたのは私。
なにがあっても、一生面倒を見るのは当然のこと。
たとえ痛みを感じることがあったとしても。

愛おしさだけではないところも全てを受け止めて、バブと一緒に生きていくしかないと腹を括った。

#ネコ #ネコのいる暮らし #パスツレラ症  

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