素問 陰陽応象大論篇 第五(1)
東洋医学の根幹となる陰陽五行の道理について書いています。その原理原則を人体に当てはめ、人体の道理を理解します。
黄帝が言う。陰陽は天地の道理であり、森羅万象の自然界の法則であり、すべての変化の根元。生物の生死のもとであり、創造主たる神である。
病を治すにあたっても、やはりこの陰陽を根本に置くこと。陽気が集まり天となり、陰気が積のり地となす。
陽はその性質として走り回って騒がしいものであり、陰は落ち着いて静かなものである。陽は発生の根元であり、陰は養育の根本である。
陰陽が旺盛に向かうと、陽気は盛んに生じ陰気は成長する。陰陽が衰退に向かうと陽気は収め粛殺し陰気は閉じて収蔵する。
陽は変化生成するエネルギーとなり、陰は形を構成する物質を作る。
よくある太極図。その意味のイメージが深まる。春から夏の陰陽が旺盛な世界と秋から冬の陰陽が衰退に向かう世界。DNAのような螺旋階段を平面に収めたのが太極図なんだね。
よく95%の見えない世界が5%の見える世界を支えているというけれど、きっと物質というのはこの陰陽旺盛なエネルギーを収蔵した最後の結晶。クリスタルはその何千年もの間の地球のエネルギーをまとった結晶だから、膨大な影響力があるのかもね。
この説を読んで思い出したのは、マドモアゼル愛さんのすべてを生み出している唸る二次元のお話。
この3次元の世の中。立体の世界。その立体はすべて2次元から出発している。すべての現象は2次元の平面の世界から。布を縦横に引っ張るような拮抗状態にある二次元。ただの2次元は全く違う。すべてを含んでいる元々の無。それが2次元のイメージ。引っ張りあう筋肉はエネルギーをため込んでいる2次元の例。トランポリンに人が落っこちたら吹っ飛ぶように、2次元に作用が入ることで3次元になる。その2次元の力が具現化した3次元は、その作用する力がなくなったとき消えていく。すべてのものは故郷の二次元に戻っていく。
2次元がエネルギーの世界。3次元はそのエネルギーに何かの意識が介入したときに現われ、その役割を終えたときに消えていく。次元のお話は大好物。
寒が極点に達すると一転して熱を生じ、熱が極点に達すると一転して寒を生じる。
寒気が陰濁を生じ、熱気が陽清を生じる。故に清陽の気が人体の下部にあると、お腹が冷えて下痢をする。また、濁陰の気が人体の上部にあると、胸に熱を帯びて胸が張ってくる。それは、陰陽の位置が本来のあるべき相と逆になったから起こる病変である。
陰極まると陽に転じ、陽極まると陰に転ずる。
例えば、冬寒すぎて霜焼けになるとか、熱いお湯の中に入ると冷たく感じるとか。日常生活に転がっている現象。
頭寒足熱って言って、頭はクールで足は温かいのが人の気の流れ。それが逆になると、お腹の調子が悪かったり、花粉症などの炎症が頭部に起こる。
故に清陽は天となし、濁陰は地となす。地の気は上昇して雲となり、天の気は下降して雨となる。雨は地の気から出て、雲は天の気から出る。故に、清陽は首から上にある穴から出て、濁陰は下半身の穴から出る。
清陽は皮膚を充実させてその働きをし、濁陰は五臓を走る。
清陽は手足を充実させ、濁陰は六腑を栄養する。
清陽は耳・目・鼻の穴から出て、陰濁は下から排泄物として出る。目ヤニや鼻水は清陽のはずが濁陰が出ている症状。白内障も老化により水晶体が濁るから、清陽のはずが濁陰になっている状態なのかな。
上が清く、下が濁っているというと易の水風井の卦を思い出しますね。
水は陰であり、火は陽である。陽は気の働きであり、陰は味となす。味は身体を生成し、身体は気を生成し、気は精気を生成し、精気は変化生成する力となる。
故に、精気は気から生じ、身体は五味から生じる。変化生成する新陳代謝の力から精気が生じ、気の働きによって身体ができる。
しかしながら、これらは、その調和が保たれている場合うまくいくのであって、その調和が狂うと、五味はかえって肉体を損傷することになり、気の働きが強すぎても、精気を損傷する。そうして精気が変化して気の働きとなるので、五味の不調和が気を損傷することもある。
食べ物がカラダをつくり、身体が気をつくり、気が精気をつくり、身体を調整する力を得る。それで、風邪をひいたときには、栄養のあるものを食べさそうとしますが。。
返ってカラダにとってマイナスになる場合もあると。消化力に応じたバランスのよい食事をということですね。
今回はこれでおしまい。陰陽応象大論篇 第五(2)へ続く。
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