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粉瘤摘出手術を受けてきた

そいつは随分前からそこにあった。

記憶をたどると、高校生の頃にはあったかと思う。おしりの左側ニキビの親分のようなコリコリとしたシコリがあった。

中、高と自転車通学だったので、その影響でできたものと勝手に解釈してた。とくに痛むわけでもなかったのでそのままにしてあったのだが、ここ数年少し痛むようになってきた。

痛むといってもずっと痛いわけじゃない。数秒くらいズキズキっとする程度で、我慢できないほどの痛さでもなかった。なので、痛みがでてからも特に治療はしてこなかった。

そんなとき、ふと思いたってググってみる。

「おしり シコリ 痛み」

で、ヒットしたのが粉瘤だった。粉瘤は良性の腫瘍だ。じゃあ、やっぱりそのままにしておこうか。その時、気になる言葉が目に入る。

「まれに癌化するものもあり、そのほとんどが臀部にできたもの」

なんだと?

そうすると気になって仕方がない。心なしか痛む頻度も多くなってきた気がする。

なので意を決して医者に行ってみた。

「みたところ、脂肪の塊ですね。とくに除去する必要はないと思いますがどうします?」

え?だって時々痛むんだよ?なのに除去の必要はない?

医者の言葉に安心する反面、もし癌化したら……という懸念も拭いきれなかったぼくは除去することを決めた。

その後の医者の説明は
手術は翌月
手術の時間は検査も含めて1時間半
手術の翌日に傷口を診るので来院すること
しばらくは痛みがあるのでドーナツ型座布団を用意すること

すべてネットの情報とは食い違う内容だ。
だってネットには、
来院したその日に手術
手術の時間は速くて5分、長くても30分
術後の痛みはほとんどなし

まずい。医者選びを間違えたか?
確かにここはいつ来ても空いてるし、何よりここの医院長はぼくが高校生のときバイトしていたうどん屋の息子なのだ。

だが後悔しても仕方がない。手術の予約をして病院をあとにした。

そして当日。仕事を午前で早退し、シャワーを浴びて病院へと来た。(手術当日は風呂に入れないため)

はじめにエコー検査でシコリの中身をみる。

「え?ここにも?」

ぼくを不安にさせる言葉を医者が言ってる。やめてくれ……。

「えー、検査の結果、表面に出てきてるのは直径2センチほどですが、中で拡がっていて直径4センチくらい。筋組織ギリギリまで腫瘍が広がってます」

もう不安しかない。想像以上に大変そうだ。

その後、処置室に通される。

「では、ズボンを下ろしてベッドにうつ伏せになってください」

と看護師さん。

言われるとおり、ズボンを下ろしておしりを出す。

「もうちょっと下ろしてもらっていいですか?ちょっと失礼します」

そう言って看護師さんはぼくのズボンとパンツをガッと一番下まで下ろす。もちろん恐怖でちぢんだぼくのイチモツも丸出しである。

ここで恥ずかしがっても仕方ないので、「全然平気」って顔をしてベッドにうつ伏せになる。

丸出しのおしりに、色々準備がされていく。ぼくからは見えないので何をされてるかよくわからなかったけど。

「では、これから麻酔を打ちますね」

情報では、この麻酔が痛くて悶絶したという人が多くて、結構身構えたが大して痛くなかった。健康診断の採血やインフルエンザの予防接種を経験してれば屁でもなかった。

麻酔を打ち終わり、先生が何やらゴソゴソやり始めた。もしかして切り始めてる?だとしたら全然痛くない。こりゃ楽勝って思ってたら、

「では今から始めますね」

え?今まで何やってたの?

それから電気メスを使って切り始める。

ジリジリという音と肉の焼ける臭い。こりゃたまらん。恐怖しかない。確かに傷みはないけど、あのジリジリが麻酔の効いてない箇所を切ったら?そう思うと気が気じゃなかった。

実際、最後の方は深い場所だからかけっこう痛みがあった。まあ我慢できないほどではなかったからそのまま受け入れたけど、痛みに弱い人なら我慢できないかも。

時間にして40分ほどかな?確かに検査も含めると1時間半かかってる。

手術後、摘出したものを見せられた。直径4センチほどの肉の塊。

「おそらく粉瘤かと。一応検査に回しますが、悪性ではない……と思いますけどね……」

なに!?その奥歯に物が挟まったような言い方!

化膿止めの抗生物質と、痛み止めをもらって帰ってきた。帰ってすぐに痛み止めを飲んだけど、座ってると痛い。仕方ないので寝ながらこれを書いてる。

明日は傷口を見せにまた医者に行かなくてはならない。早退や遅刻も考えたけど、めんどくさいので1日休みにしてしまった。これは正解だな。この痛みじゃ座って仕事なんて無理だもん。

明日休みなら酒飲んじゃおうって思ったけど、飲んでいいか先生に訊くの忘れてたわ。



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